一極集中と多極分散
ボードゲームライフを続けて20年。日常生活でゲーム的な考え方をしてしまうことが増えた。そのひとつに一極集中か多極分散かという選択がある。
ドイツゲームの王道ともいえる陣取りゲーム。いくつかのエリアに自分のコマを置いていって、ある時点でエリアごとに最もコマの多い人がそのエリアを取るという「エリアマジョリティー」システムを用いたものが、90年代以降のドイツで数多く発売された。代表格は『エルグランデ』で、15年以上経った今も色褪せず遊ばれている。
そのようなゲームでは、常に一極集中か多極分散かという選択を迫られる。ひとつのエリアに集中すればそのエリアは確実に取れるが、ほかが手薄になってしまう。かといってたくさんのエリアに手を出せば、薄さゆえにどのエリアも取れないかもしれない。これが実に悩ましく、そして楽しい。
実生活でもこの選択はよくあるように思う。例えば身の回りには町内会、同業者の集まり、趣味の集まり、PTA、学校の同窓会などさまざまな団体があるが、1つの団体に集中してそこにリソース(時間とお金)をつぎ込むか、いろんな団体に幅広く顔を出してそこそこに付き合っていくかは、迷うところである。
ボードゲームと同様、この2つの選択は両極端で、どちらも不正解ということが多い。実際にはどこかにある程度集中しつつ、それ以外にもそこそこリソースを使っておくのが正解だろう。だから本当の問題は「ある程度」と「そこそこ」をどれくらいに設定するかである。最悪なのは、どの団体にも名前を連ねておきながら毎回欠席というケース。付き合いのつもりが逆に無責任だといわれかねない。ボードゲームでいえば、エリアにコマを1個だけ置いて放置というような感じか。
「この団体には全力投球。役員でも何でも引き受ける姿勢で」「この団体はほどほど。毎回できるだけ顔を出す程度に」「この団体は思い切って切る」……自分の現在の状況に応じて、また将来を戦略的に見据えて取捨選択しリソースを適切に配分したい。そのようなことを考える今日この頃である。
逆に団体の役員を務めている場合は、メンバーがリソースをつぎ込みたくなるような魅力を出すよう努力する。ボードゲームでいえば、あるエリアの勝利点を上げてみんなが集まってくるようにするようなものだろう。人が集まることで、そのエリアの魅力は相乗的に高まる。
こんな風に、日常生活をボードゲーム的な視点で見ること、ありませんか?
TBSラジオで阿曽山大噴火氏ボードゲームを語る
本日夕方に放送されたTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」に阿曽山大噴火氏が登場し、ボードゲームを熱く語った。
お笑い芸人であり、裁判ウォッチャーとしても有名な阿曽山大噴火氏は大のボードゲーム愛好者でもある。本日17時15分からの8分間コーナー「メキキの聞き耳」に出演し、お正月にちなんでボードゲームを紹介した。
「ボードゲームってどういうもんなの?」と尋ねる荒川氏に対し、「双六ゲーム、将棋とか、人生ゲームとか、ああいうもの」と答えた阿曽山氏。ドイツが世界で一番盛り上がっていること、ドイツは残業が少なくて家族で過ごす時間が長いこと、ファミリーゲームなので簡単なルールが多いこと、大人だけでやっても十分楽しめること、『カタンの開拓者たち』が世界的にヒットしたこと、「ドイツゲーム」というジャンルができたことなど、ボードゲームを取り巻く状況を簡潔に説明。
『ドミニオン』日本選手権で54位だったことを明かしたほか、『アグリコラ』、『パンデミック』、『なんてったってホノルル』、『ワードバスケット』を立て続けに紹介した。『アグリコラ』では、自ら買ったピルケースに入れたコマを見せるなど、ボードゲーム好きがひしひしと伝わってくる内容。
でもスタジオの反応はいまいち。「こんなにみんな食いつかないもんすか、ボードゲーム、カードゲームっていうのは。これをみんな正月にやってほしいっていうことをね・・・」と焦る阿曽山氏に、荒川氏は「でも実際これはまると面白いかもね」と結んだ。
放送はホームページで聴くことができる。