なりたい→なかなかなれない→気がついたらなってた
手番には山札からカードを引いた上で、ペアでカードを捨てるか、他のプレイヤーに1枚渡すか、パスをする。フェイズによってドロー枚数やペアの組み方が変わるが、基本は同じだ。
「五穀集めフェイズ」は、米、栗、麦、大豆、黍の5種類のカードが揃ったら上がりで、「五穀断ちフェイズ」は手札に五穀カードが1枚もなくなったら上がり。最後の「土中フェイズ」は手札を全てなくすか、手札を全て「鐘カード」にしたら上がりとなる。
「土中フェイズ」を最初に上がったら勝ちというわけではなく、途中のフェイズで獲得した得点を合計して勝敗を競う。そのため、引き運が悪くて先のフェイズに進めなくても、得点になる「漆茶」「入定」カードを多く出していれば勝てるかもしれない。
「土中フェイズ」は、他のプレイヤーにカードを渡すことができなくなるが、毎回山札から引かなければならない上に、他のプレイヤーからはどんどんカードを押し付けられる。手札をなくすには、同じカードのペアになるか、オールマイティの「読経」とペアにしなければならず、これが実に苦しい。あと1枚捨てれば上がれると思ったところに、要らないカードを引いてしまうというのが繰り返されることになる。
そのうち遅れていた人も皆土中フェイズに入ると押し付け合いはなくなり、後はお望みのカードを引けるかどうかの戦いとなる。「ターンはあるが、何もせず終わるかもしれない」という1回休みメカニクス(『ゲームメカニクス大全』TRN-16)である。何ターンも続くとだんだん苦しさを感じなくなってきて、淡々とした境地になってくるというところまでがシミュレーションなのかもしれない。
ゲームデザイン・猫柳生、イラスト・石野中
グループSNE/cosaic(2020年)
2~5人用/10歳以上/20~30分