1.ゲームの構造:競争、協力、チーム戦、ソロ、半協力、一人負け、裏切り、シナリオ・ミッション・キャンペーン、得点とリセット、レガシー
2.手番順:固定制、状況制、ビッド制、交替制、獲得制、パス制、リアルタイム制、区分けリアルタイム制、同時アクション選択、役割制、ランダム制、アクションタイマー制、タイムトラック制、アクショントークン・パス制、中断と連続制、手番失効、中断
3.アクション:アクションポイント、ドラフト、回復、アクションとイベント、コマンドカード、順番、順番のシェア、フォロー、オーダーカウンター、ロンデル、選択制限、バリアブルパワー、1回きりの能力、アドバンテージ、解放、系統樹、イベント、ナラティブ
このような感じで網羅的に解説されている。各項目では、そのメカニズムの定義が簡潔に述べられ、解説ではその効果や利点、注意点などを実例をもとにして行う。一項目につき2~3ページなので、気になる項目に絞ればそれほど大変ではない。
既存の傑作を分析したものなので、これらをブロックのように積み上げるだけで面白いゲームができるものではないだろう。しかし、こういったメカニズムに全く無知では新しいボードゲームを生み出すことができないのも事実だ。著者はこの本の意図として、デザインを学び、デザインについて語り、既存のメカニズムを掘り起こしてよりよいゲームをデザインしやすくすることであり、そこから次世代のボードゲームが生まれることを期待している。
ボードゲームデザインだけでなく、面白かったゲームで何が面白かったのかとか、自分の好みは何なのかとか分析するのにも使える。ボードゲーム評論にも大いに役立つだろう。
巻末にはボードゲーム名からのインデックスが付いている。これで『カタン』や『アグリコラ』などは11の項目で登場していることが分かる。傑作ばかり並ぶ中で、『ラブレター』『エセ芸術家ニューヨークへ行く』『インサイダー』『トリック・オブ・ザ・レールズ』など日本の作品が入っているのが嬉しい。
Building Blocks of Tabletp Game Design: A Encyclopedia of Mechanisms
Geoffrey Engelstein, Isaac Shalev
2019 CRC Press