クロスシティー(Cross City)

西部の街の何やかや
十字に通りが走る西部の街クロスシティーを舞台に、街一番のお金持ちになるゲーム。ルールブックが34ページにわたり、そこには西部の街での生活の仕方が事細かに記載されている。ゲームの基本システムは『モノポリー』と同じだが、決闘や砂金掘りや強盗など、西部らしい仕掛けがあちこちにある。
クロスシティー
手番にはサイコロを振ってコマを移動し、移動先が空いていれば好きなお店を建てる。ほかのプレイヤーが自分のお店に止まると、サイコロを振ってサービスを決め、お金を払ってくれる。これがゲームの基本。
例えば酒場なら1=ヤギの乳グラス1杯1ドル、2=ウィスキー1瓶10ドル、3=ポット1杯のコーヒーとタバコ20ドル、4=主人とポーカー(賭け金5ドル以上でダイス勝負)、5=集会80ドル、6=銃撃された鏡と家財の弁償150ドルといった具合。角にお店を作れば、価格は2倍だが寄ってもらえるチャンスも増える。
通りは左側通行で、中央の交差点に戻ると好きな方向を選べる。ただしお店が全部建つと、方向ダイスを振って強制的に方向が決められる。銀行などに止まってしまうと、所持金のほとんどを強制的に預金させられてしまい、次に寄るまで帰ってこないのであまり止まりたくない(銀行の持ち主は通過するたび預金総額の20%が手に入るからウハウハ)。
支払えるお金がなければ、近くの銀行に移動して強制的に借金させられる。借金と同時に利子が差し引かれるので、借金しないようにしたいもの。かといって大金を持っていると、追いはぎに狙われる恐れもある。
通りの奥には仕事マスがあって、そこに止まればダイスを振って給料をもらえる。特に砂金川は最高1000ドルが一気に手に入るから最優先で狙いたい。ゲームは、誰かが12000ドル集めるか、あらかじめ決められた時間が経過したら終了で、所持金と建物と預金額の合計の多い人が勝つ。
西部で重要なのがコルト。ほかのプレイヤーに止まればダイス勝負をして追いはぎできるし、郵便局、郵便馬車、銀行で強盗して大金を手に入れることもできる。このとき保安官出現ダイスを振って、2分の1の確率で保安官が追いかけてくるので、銃撃戦で勝たなければならない(ダイスの小さいほうが勝つが、保安官は早撃ちでダイスの目が半分になる)。負ければ墓場行き(2代目が登場するので、ゲームからは脱落しないが、建物やお金を没収される)。
逆に保安官が負けて死亡すると、全員が近くの酒場に集合して市民葬を行い、近くの家具屋が棺を作って収入を得るというイベントもある(そんなことを事細かに書いているのでルールが長大になるわけだが)。
死にたくなければ、保安官に投降して刑務所に入ってもよい。刑務所は6回休みだが、ダイスで脱獄を試みることもできる(また保安官が追いかけてきて銃撃戦になる)。
6人プレイでルール説明に1時間、プレイに2時間。tomokさんの理容店がなぜか大繁盛で笑う。「さっき髪切ってきたばかりなんですけど!」一方、carlさんの唯一の建物である銀行は、砂金川の出口という好立地にもかかわらず閑古鳥。預金しても、carlさんが利息を回収する前に引き出されてしまう。「きっと店員の応対が悪いんですよ!」1回郵便馬車強盗で味をしめた鴉さん、再犯で保安官に撃たれ帰らぬ人となった。「2代目です。どうぞよろしく!」くさのまさんは早々に拳銃を売却して丸腰になったが、追いはぎに逢わなかったのはお金もなかったからというオチ。恭子さんが砂金掘りの道具で最大の2000ドルを叩きだしたが、銀行の利息で地道に稼いだ私がトップ。
あまり考えるところがない分、会話が弾むし、出たイベントごとに盛り上がる。デザイナーは本当に西部劇が好きなんだなと思わせる作品。
Cross City
R.エーム/ヨヨシュピーレ(1991年)
3〜6人用/12歳以上/120分
国内未発売

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