生きている子猫たちをミキサーにぶち込んでひき肉にする――そんなあってはならないことを、起こらないように頑張るカードゲーム。自分が飼っているネコはもちろんのこと、ほかの人が飼っているネコも守りたい。しかしスイッチを止めるカードはどんどんなくなっていき……。
心の中のデリケートな部分に針を刺されるようなカードゲームを作っているのはアメリカのクローゼットナード社。クヌードソン兄弟が自分たちの作品を発表している小さいメーカーで、ホビージャパン経由で『アリエナイマシーン』『ヒベルニア』『カンブリア』などが日本に作品が入ってきた。製品紹介ブログでは戸惑いが隠せない。
アメリカのゲームなんで動物愛護団体がうるさいので、子供が遊ぶものは残虐なものは無いだろう……と思ったら本当に仔猫がミキサーに入ってスイッチを押すの押さないの、という直球ど真ん中な内容のカードゲームでした。
自分の番にはカードを2枚出す。ほとんどはネコカードで、出せる場所はおやすみ箱(※お墓ではない)、台所、そしてミキサーの3ヶ所。ゲーム中にミキサーが作動すると、そのときおやすみ箱にいた自分のネコは+2点、ミキサーにいた自分のネコは−1点となる。
特殊カードにはネコを移動させるものと、手札を交換するもの、ミキサーを作動・停止させるものがある。自分のネコがミキサーの中にいたら優先して脱出させよう。1回の手番で2枚のカードが出せるので、ネコをミキサーに投げ入れてスイッチオンなんて非情な輩が現れかねない。
ミキサーカードは、作動も停止もできるカードと、作動しかできないカードがある。停止は、作動カードが出たときに誰の番であってもできるので、思ったほどミキサーの被害は少ない。お互いに牽制しあうので、全員のネコがミキサーに入っていることが多いということもある。
しかし最後は、作動しかできないカードが残ってしまう上に、手札がなくなるまでゲームを続けるので、泣く泣くミキサーを動かしてしまうことも。「レックス、ごめんよー!」全員の手札がなくなったらゲーム終了。
テーマが重々しいこともあって慎重なプレイ。常にミキサーに誰のネコが何枚入っているかを確認しながら、出すカードを選んでいた。そのため結果も僅差で、犠牲になったネコがほとんどいなかった私の勝利。協力ゲームかと思うほどミキサーの作動が少なく、みんなの良心に心が救われる思いがした。
Kittens in a Blender
クヌードソン兄弟/クローゼットナード(2011年)
2〜4人用/8歳以上/30分