インド・ラージャスターン州にある砂漠の都ジャイプル。たくさんの窓を風が循環する「風の宮殿」が有名である。ここを舞台に品物を集めて売る2人専用ゲームがフランスから発売され、ドイツ年間ゲーム大賞では推薦リストに挙げられた。
中央には5枚の場札が並んでいる。ダイヤモンド・金・銀・絹・スパイス・布という6種類の商品と、ラクダ。手番にはカードを取るか出すかのいずれか。取るときは1枚無料か、好きなだけ取って同じだけ手札から戻すか、ラクダを全部取るか。山札から補充して、相手の番になる。
出すときは同じ種類の商品を出して、その枚数だけ得点チップをもらう。たくさん出せれば得点が高いが、欲張って待っていると相手に先に出されてしまうかもしれない。また、手札の上限は7枚なので、揃わなくても出さなければいけないこともある。先を越されないよう、相手が集めている商品も覚えておきたい。
得点チップは商品ごとにあり、数が限られている上に、先に取るものほど得点が高い。しかし、3枚以上出せばボーナスがある。相手との駆け引きの中で、何枚集めるかは悩ましいところだ。
6種類の得点チップのうち3種類がなくなるか、補充用の山札がなくなったらラウンド終了。ここまでに取ったラクダの多いほうにボーナスがあって、合計を競う。2回勝ったほうが勝利。
カードを取って出すというだけのゲームなのに、取り方が3種類あることが駆け引きを生む。場札は普通、ダイヤモンド・金・銀といった高価なものから取るので、あまり得点にならない布やラクダが溜まりがち。たいていは1枚ずつ取っていくが、ある時点で何枚も取って手札から戻したり、ラクダを全部取ったりすることになる。このとき、場札が一気に変わるので相手にチャンスを与えやすい。
カードは取らないといけない、でも相手にチャンスを与えたくない。ならば枚数が揃っていない商品を出してしまうか。大いに悩むポイントはゲーム中何度も訪れる。さらにカードの出方によって展開がだいぶ違う。一手差で出荷されてしまった時など、盛り上がりどころもあった。
妻と対戦。高価なダイヤモンド・金・銀は場札に出たらすぐ取るという、金目の物に目のない2人。しかしこの3つは2枚揃わないと出せない上に、チップが5枚しかないため、4枚取ったところで1枚余る。この1枚を取りに行くか、ほかの商品を狙うか難しいところだった。第2ラウンドは場札がやたら布ばかり。布は安価だがたくさんあるのだ。一旦取り始めると早出し勝負になる。妻が貯め込んでいるすきに少量を出荷して儲けた。2本先取で勝利。
Jaipur
S.ポーション/ゲームワークス(2009年)
2人用/12歳以上/30分