今年になって発売された2人用のライトなカードゲームシリーズ。いずれもスポーツをテーマにしており、余計な要素を削ぎ落としてテンポのよさを生み出している。
スポーツをテーマにしたボードゲームはデザインが難しいという。スポーツがもつスピード感やテンポが、ボードゲームではどうしても損なわれてしまうからだ。近年ではグラパックジャパンが意欲的な作品をいくつか発表したが苦戦を強いられている。
野球は、比較的テンポが穏やかなスポーツだが、このゲームは攻守を同時進行するという斬新な仕掛けでテンポアップに成功している。交互に1枚ずつ手札からカードを出す。ヒットカードは3枚溜まったら1点。その前に相手がキャッチカードを出してアウトになってしまったらまた1からやり直す。相手はキャッチカードで得点機をつぶしつつ、自分もヒットカードを出す。防御がなければ攻撃、攻撃がなければ防御。
防御のできないバントヒットや、1枚で2枚分あるクリーンヒットがあり、防御しにくいようになっている。さらにホームランは、それまで出していたヒットカードの枚数だけ得点になるビッグチャンスだ。
ホームランのチャンスを狙って走者をためようとしたが、ことごとく潰されて試合終了。着実にヒットで得点を重ねたくさのまさんが2対1で勝ち。1点を争ういいゲームだった。
カルタッチョベースボール
しんどうこうすけ/エイベックス(2009年)
2人用