シュピール’11:1日目
今回のエッセン国際ゲーム祭は通訳や取材の仕事がなく、のんびりと過ごすことができている。そうなれば当然、実際にボードゲームを遊びにいく。各メーカーには試遊卓が用意されており、英語ではあるがインストもしてもらえる。実際にコマを動かしながら説明してくれるので、言葉を聞き落としてもだいたいは理解できる。分からなかったところは質問して、あとは1ラウンドくらい見ていてもらえば、正しいルールで遊べるし、原文のルールを読む手間も省ける。
シンガポール(Singapore)
建物を作ってさまざまなアイテムを手に入れ、お金や得点に換える拡大発展型のゲーム。後になるほど強い建物が出てくるので、適宜新しい建物に移動していかなければならない。黄色いキューブ「阿片」を手に入れたり、売って大儲けしたりできる建物は、建設時にブラックマーカーを引かなれければならず、これが溜まると罰金の危険が増す。その前にうまくさばいたり、贖罪したりしておかなければならない。阿片で大稼ぎし、後半は足を洗ったが、karokuさんが1点差の大逆転で勝利。(White Goblin Games, 2011)
アルバ・ロンガ(Alba Longa)
ローマ帝国の国作りゲーム。ダイスを振って1個ずつ取り、ダイスの色に沿って軍隊・現金・畑・信仰・モニュメントに人員を振り分ける。軍隊はほかのプレイヤーを攻撃し、現金はダイスを取るのに使い、畑は食料供給を増やし、信仰は収穫高を上げる。人口とモニュメントを増やすのが目標。序盤に軍隊がなかったばかりに袋叩きにあった神尾さんと私とふうかさんが沈み、その間に着々と人口を増やしたdjさんの勝ち(QWG, 2011)
シディ・ババ(Sidi Baba)
1人が盗賊の親方(マスター)となり、ほかが探検家となって迷宮を探検するゲーム。マスターはついたての裏地図を見ながら、探検家が今見える風景のタイルを出す。砂時計が落ちてランプがなくなる前に、宝箱を開けて洞窟を脱出しなければならない。協力ゲームだが、無事脱出できれば獲得コイン数で勝敗を競う。はじめは闇雲に走りまわっていたが、次第に入り組んだところも気がつくようになる。マスターの神尾さんが置いた岩がかえってヒントになって宝箱発見。そして脱出成功。今まで通ったルートを覚える空間認識力・記憶力が問われた。(Hurrican, 2011)
ドローデルおばさんのドレーデル(Tante Drodels Drödel)
実は本日遊んだ唯一のドイツゲーム。荷物を積んで、お題のコマとできるたけ同じ重さの木のコマを目分量で荷物を積む。最後に集めたコマを天秤にかけて、お題のコマと同じ重さ(天秤が一番水平)な人が勝つ。木のコマは25個も入っており、どれがお題になるか分からない。神尾さんが驚異の目分量で1位。(Zoch, 2011)
日本語版がホビージャパンから発売予定されている『祈り、働け』のドイツ語版が無事届いていた。印刷がぎりぎりで、本日は200部、あとは土曜日に届くという。作者ローゼンベルクが第二子の出産で忙しく、プロモカードは1枚だけに留まった。
シュピール’11:開幕
参加国は前回の32カ国から2カ国の増。特に今年はチェコ、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、ポーランドといった東欧や、ウクライナ、ロシアなどドイツ以東の国々が目立つ。アジアからも、日本、中国、台湾、韓国が出展している。ホール数は新たに1つ増設されて10。広さは46000平方メートルにもなった。
主要メーカーの代表が組織するボードゲーム専門委員会(Fachgruppe Spiel)によると、2011年のボードゲーム売上は前年比11%増。15%増えたキッズゲームが牽引している。学校の秋休みで子供たちの参加が非常に多く、入場者は15万人を見込む。
世界一の規模をほこるボードゲーム祭は、ボードゲームを社交性を高める重要なツールとして、また世代や社会をつなぐ余暇の楽しみとして発信する。
・Internationale Spieltage SPIEL