今ボドゲ師走です
10月24日から4日間にわたって、ドイツ・エッセンで世界最大のボードゲームメッセ「シュピール」が行われる。会期中に15万人が訪れるというビッグイベントで、ゲーマー向けの新作を世界各国の出版社が発表する。
ドイツ年間ゲーム大賞や、ドイツゲーム賞などのアワードにとって、この「シュピール」が年度初めになる。すなわち、今回の「シュピール」で発表される新作は、2014年度の作品というわけだ。これによって、新作なのに発売年と受賞年が1年ずれるということがよく起こる。
「シュピール」が年度初めならば、その直前が年度末である。年度明けの準備でみんな忙しい。
工場では「シュピール」に間に合うように急ピッチで印刷や箱詰めが行われている。出版社は「シュピール」以降の販売についてショップや輸入代理店と打ち合わせを行い、輸入代理店は翻訳の手配に大わらわ。翻訳者は最も多くの仕事を抱える時期となる。さらに愛好者も、新作情報や前評判のチェックに多くの時間を費やす。
当サイトでは新作情報を出版社別にまとめているが、注目される出版社がどんどん増えていて、とても追いきれない感じだ。情報をまとめるために、また翻訳をするために、遊ぶ時間がなくなるともう何が何だか分からなくなる。
これが9月中旬からの1ヶ月である。「師走」とでも名づけたくなる気分だ。
さらに気ぜわしくするのは、昨年の「シュピール」で発売されたのに、1年近く経ってまだ遊んでいないボードゲーム。別にいつまで遊ばなければいけないというものでもないが、新作の激増に伴ってボードゲームに「旬」というものが出てきたのは否めない。受賞した作品はまだしも、そうでなかった作品を出すと今更感が漂う。そうならないうちに、今度の「シュピール」の新作が出る前に遊んでおこうと思うとまた忙しくなる。「それなら買うな」はいわないお約束。〽分かっちゃいるけど止められない♪
毎年のことながら、そんな贅沢な悩みを抱える今日このごろである。
アグリコマ
ドイツ在住のポーランド人がハボルズ・グロッテ(下記リンク)というサイトで、ボードゲームの手作りフィギュアを紹介している。『アグリコラ』『ル・アーブル』『ツォルキン』『スペースアラート』『ストーンエイジ』『エスケープ』『ダンジョンペッツ』『ロビンソン・クルーソー』を、彩り豊かで可愛らしいフィギュアで遊べるようになる。
早速、『アグリコラ』のフィギュアセットを注文してみた。連絡は、ホームページにあるメールアドレスのほか、フェイスブックのメッセージでも取ることができる。資材セットが33ユーロ、家族セットが27.50ユーロ、動物・柵・厩セットが65ユーロ、日本への送料が16.90ユーロ。ペイパル支払いで、2万円弱である。
支払いを済ませて1ヶ月ほどで届いた。コマがひとつひとつ紙でくるまれていた。写真の通り、見事な出来栄えに心が躍る。木材の筋の1本1本、魚のウロコの1筋1筋が全部異なっている。型に入れて作ったのではなく、1つ1つ本当に手作りで作ったことが分かる。届いた旨を連絡したら、本当に大変だったという返事が来た。
フィギュアを眺めていると、『アグリコラ』のプレイ欲求がどんどん高まってくる。日本でも、手先の器用さを活かしてこんな(特定の)ボードゲーム用オリジナルフィギュア作りをする方が現れないだろうか。
・Hobold’s Grotte