ドイツゲーム市場2000

2001年ドイツゲーム賞(DSP)の投票数は1500票程度で、1999年の日本テーブルゲームグランプリ(JTGG)投票数300と比較するとそれほど多いとはいえません。日本のゲーム市場はドイツのゲーム売上にどれくらいのシェアを占めているのでしょうか。

Spielboxなどの発表によると、2000年ドイツのゲーム市場は、総売上にして8億マルク(日本円にして約440億円)にのぼりました。一説(某経済紙)によると日本国内のドイツゲーム売上は3000万円程度と言われていますので、0.1%にも満たないシェアということになります。日本の1500倍の売上が、ドイツにはあるということです(※能勢さんによると、全部合わせれば3000万円は少なすぎるそうです)。

ドイツで発表されるゲームのうち日本に入ってくるのはほんの一部に過ぎず、またドイツ市場といっても隣国のオーストリア、オランダ、フランス、スイスなども含まれますから単純な比較はできませんが、日本で100個売られているゲームが15,000個も売れているという計算になります。DSPの投票数には表れてこない、ドイツゲーム人口の裾野の広がりが感じられます。またもしドイツ人が日本人と同じ数のゲームを購入していると仮定すれば、ゲーム人口も日本の1500倍いることになります。いつもだいたい10人集まるサークルがあるとして、そこにいきなり15000人の人が集まってきたり、そういうサークルが同じ地区内に1500もあったりしたらどうしましょう?体育館を使ってゲーム大会なんてことになるかもしれません。

こういう想像をはたらかせる前に実際に日独のゲーム人口を調べなければいけませんが、今回はSpielboxのHaraldHemmerlein氏より2000年のドイツ国内玩具市場におけるゲームの割合、またゲームにおけるジャンル別の割合を教えていただきました(下グラフ)。玩具市場は伝統的な玩具という枠組みで、コンピュータゲームは含まれていません。また、ゲームの割合の中の「カードゲーム」にはマジック・ザ・ギャザリングなどのコレクタブル・カードは含まれていません。

まずゲームの割合が14%も占めていることに驚かされます。それだけゲームがメジャーな地位にあるということなのでしょう。そしてゲームの中ではファミリーゲームの割合が高くなっています。ここでのファミリーゲームとは10歳から12歳以上を対象としているボード、アクション、ストラテジーゲームのことで、日本に入ってくるドイツゲームの大半がこれにあたります。

ボード/カードゲーム市場はコンピュータゲームに押されて頭打ちという話ですが、これだけのシェアがある以上、まだまだ当分の間は現体制が続きそうな気配です。


2000年ドイツ伝統玩具市場におけるゲームの割合
EPOS-Handelspanel, Eurotoys Marktforschung GmbH