イギリスの発明家・起業家リチャード・アークライト(1732-1792)の時代を描いた産業革命ボードゲーム『アークライト(2014年)』のカードゲーム版。ゲームブルワー社(ベルギー)がキックスターターを経て今夏発売した。起業家として工場を建設し、労働者を雇用し、さまざまな危機や競争相手との競合を乗り越えて製品を販売する。
ゲームは30年間にわたって行われ、10年ごとに4ラウンドに分かれている。手番には手札からカードを出して、工場の開設、既存の工場のアップグレード、機械の製造、新しい労働者の雇用などを行う。また、持ち株を増やしたり、融資を受けて生産コストを賄ったりすることもできる。
その後、生産フェイズで工場で生産した製品を販売するが、市場は需要に応じて変動するので、需要が低いと利益が下がるかもしれない。しかし労働者に給料が支払い、機械に定期的なメンテナンスが必要なので、利益が出るどころか赤字になってしまうことも。商品がたくさん売れれば株価が上がり、魅力が高いとボーナスもある。国内で売れなければ、海外に出荷したり、次のラウンドに備えて保管したりすることもできる。
最終ラウンド終了後、自分の倉庫に残っている商品をすべて売り、自分が受けた融資だけ保有する株式数を減らし、個人の出荷実績に基づいて株価を下げる。最終得点は自分の持ち株数×株価で勝敗を決める。
120~240分という重量級ゲームを100分に収めたとはいえ、それでも重量級でたっぷり遊びごたえのある経済ゲームだ。