カートグラファー(Cartographers: A Roll Player Tale)

空けておいたらモンスターを描かれた
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RPGキャラクターメイクゲーム『ロールプレイヤー』のサンダーワークスから発売されたフリップ&ライトゲーム。ペガサスシュピーレから発売されたドイツ語版が今年、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた(大賞は『ザ・クルー』)。グリッドにポリオミノを記入していくゲームとしては『パッチワーク・ドゥードル(2019)』『インザルーイン(2019)』『アルヴィウム(2020)』などがあって近年盛んとなっている。

毎回変わる4パターンの得点方式カードが並び、四季が終わるたびにそのうち2つのパターンで得点が入る。カードをめくって出てきたポリオミノ(地形やパターンが選択可能なものもあり)を各自が自分のシートに記入し、今回の得点パターンの得点を増やす。ほかにも、シート内にある鉱山の周囲を埋めたり、小さい形のポリオミノを記入したりすることで手に入るコインも得点になる。

この得点パターンが「湖に隣接している畑と畑に隣接している湖」とか、「四角形の最大」とか、「2番目に多い家の連続」などそれぞれ捻りがあって一筋縄では行かない。組み合わせと順番によって、どれを優先するかも変わる。あとの方の季節で得点になるパターンをコツコツ育てていくか、ひとつの季節の中で取り組むか。

罠カードが出てくると、シートを隣の人に渡し、お邪魔キャラを書かれる。この周囲を季節の終わりまで封鎖しないと失点になってしまう。広いところを残しておくとそのど真ん中に描き込まれる恐れがあるが、広いところがないと普通の地形も書き込めないのが悩ましいところだ。これによってフリップ&ライトゲームでは薄まりがちな程よいインタラクションをもたらしている(これでも物足りない方はシートがプレイヤー間を周って邪魔し合う『アルヴィウム』がおすすめ)。

人数にこだわらず、ルールのミスが起こりにくく、それでいて考えどころがしっかりあって遊びごたえのある作品。裏面を使うと中央に穴があって地形が広げにくい上級者モードになる。
「地図製作者」というタイトルの通り、シートには無機的なポリオミノではなく、その中に家、森、川、畑、モンスターのマークを書き込んでいくので、終わった後に出来上がるものは本当に地図である。国名や紋章を好きに設定できるといった趣向もあって、テーマ性もバッチリだ。

Cartographers: A Roll Player Tale
ゲームデザイン・J.アダン
イラスト・L.リベーロ
グラフィックデザイン・L.フランシスコ
サンダーワークスゲームズ(2019年)
1~8人用、10歳以上、30~45分

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