魔法の壁にぶつからないようにルートを覚えて、宝を集める記憶ゲーム。今年のドイツ年間キッズゲーム大賞受賞作。磁石はキッズゲームの定番で、過去の年間キッズゲーム大賞では9タイトル中5タイトルに用いられている。
はじめに誰かが適当に壁をはめ込んで迷路を作り、その上にボードをかぶせる。迷路を作った人はルートを覚えていそうなものだが、適当に回転させるとあっという間に分からなくなるものだ。四隅にコマを置いたらスタート。
コマには強力な磁石がついていて、ボードをはさんだ下側にパチンコ玉をつける。移動中、ボードの下に隠された壁にパチンコ玉がぶつかると下に落ちて(魂を取られた!)、振り出しに戻らなければならない。壁があったところをよく覚えておこう。
磁石はフェルトで覆われており、壁にぶつからない限り、コマの動きは実にスムーズだ。その動き心地は、魔法使いの弟子たちが宙に浮いて移動しているかのよう。それが突然、壁で動きを止められる。パチンコ玉がボトリと落ちてスタートへ。ボードの下は坂になっていて、落ちたパチンコ玉もスタートまで転がってくる。
このように見事なギミックを使ったゲームだが、ルールはきわめてシンプルだ。袋からチップを引いて、そのチップのマークに最初に着いた人がチップをもらう。何枚か先に集めた人の勝ち。移動はダイスなので、ルートを覚えていても1歩しか進めないこともある。妙に悔しい。
覚えていられるのはせいぜい最初の数マスだけ。壁があると思い込んでいたところになかったり、ないと思っていたところにあったり。それでもみんなリーチになって、緊迫した終盤となった。最後の1枚をぎりぎりで制したタカハシさんの勝利。
壁の枚数で難易度を変えられるようになっており、大人でもかなり歯ごたえのあるプレイが楽しめる。
Das magische Labyrinth
D.バウマン/ドライマギア(2009)
2〜4人用、6歳以上、15分