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マーケットデイ(Market Day)

徐々にわかってくる全体像

骨董品と好事家のカードの断片的な情報から得点を競うカードゲーム。ハレルヤロックボーイがゲームマーケット2024秋に「パイロット版」として発表し、当サイトの新作評価アンケートで6位を獲得した。なお「正式版」のリリースはまだ発表されていない。

全体で80枚あるカードのうち、各ゲームでは半分以下しか使わない。骨董品は5種類、好事家は8枚あるが、ゲームごとに偏りがあることになる。その情報を掴んで、得点が高そうなカードを集めていくという、『ハグル』のような楽しさがある。

使うカードは各プレイヤーの手札と公開の場札になり、毎ラウンド手札から1枚ずつドラフトしていく。選ばなかったカードと公開の場札は再び混ぜて配り直される。同じカードがまた手札に戻ってくるかもしれないし、他のプレイヤーのところにいくかもしれない。また1枚ドラフトして、残りを混ぜて配り直して、というのを繰り返して7ラウンドでゲーム終了。

得点計算は、種類別の数字の合計によるマジョリティ、1枚しかなかったカードの得点、好事家の条件による得点、宝石カードの得点を合計して勝敗を決める。カードがプレイヤー間を巡るにつれて、どの種類が多いか、どれがレアか、好事家は何を求めているかが徐々にわかってくる。他プレイヤーが選んだカードもヒントになるだろう。

カードの混ぜ方は、テーブル上にランダムに置いて皆で混ぜるウォッシュシャッフル。そこから手札を引いてくるのが骨董品集めをしているようだ。「ほほぅ、それはすばらしいお茶碗ですな」などとお互いのコレクションにコメントし合うのもコレクターのような楽しさがある。

マーケットデイ
ゲームデザイン:シマムラナオ/イラスト:ヤマウチロックボーイ&ドウゲンノブタケ
ハレルヤロックボーイ(2024年)
3~4人用/10歳以上/15~20分

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キャッチミー・あほ!(Catch me Aho!)

暴走族が警察に捕まるのはいつどこで?

ダイス目で道路を逆走する暴走族と、反対方向に走るパトカーが、何回目にどこで鉢合わせするかを頭の中でシミュレーションし、対応するチップを素早く取るパターン認識ゲーム。日本テーマにイカれた作品を発表しているヘルドベルクスゲームズ(ドイツ)の作品である。箱絵や説明書には、暴走族の衣装に「お前の母ちゃんでべそ」「たんたん狸の金玉は風もないのにぶーらぶら」とか書かれていて怪しいが、その実、計算から反射への思考経路のショートカット化を経験できる。

道路タイルを環状に並べ、暴走族コマとパトカーコマを置いてスタート。基本ゲームでは道路の3箇所(上級ルールでは最大6箇所)に渋谷や池袋などの街がある。中央には、何回目チップと、どの街チップが置いてある。

2個のダイスを振り、ピンクのダイスで暴走族が、青のダイスでパトカーが矢印の向きに進むのを、各自頭の中でシミュレーションし、何回の移動で同じ街に入るか、そしてその街はどこかを素早く判断してチップを取る。何回移動しても同じ街にならないと思ったら「∞」チップ。

その後で実際に動かして答え合わせをし、取ったチップが全部不正解ならオニギリカード(HP)を2枚、チップを1つも取れないか、1つ正解で1つ不正解ならオニギリカード1枚失い、2枚とも当たっていたらオニギリカードを1枚回復する。誰かのオニギリカードの山がなくなった時点で、たくさん残っている人が勝ち。

写真の例では、暴走族は池袋、パトカーは湾岸からスタートして、1回目で暴走族もパトカーも渋谷に行くので、「1」「青」のチップが正解。これを早い者勝ちで考えるのは、結構頭を使うことがおわかりいただけるかと思う。慣れてくると、実質いくつ動くのかがわかってきてショートカットで答えを出せるようになるが、方向が逆向きなので間違いやすい。

ちなみにオニギリカードのオニギリの数はHPではなく、前段にトランプのスピードみたいなことをやるのに使う。各自15枚の山札を置き、ダイスを振って、その出目から始めて±1のカードを同時プレイで出し、最初に山札がなくなった人は初期枚数が17枚、2位は16枚、3位は15枚となる。

ところでヘルドベルクスゲームズの日本大好きフォルカーさんは昨年のエッセン・シュピールで会ったとき、鹿児島に移住して農業をやりたいと言っていたが、もう来日しているのだろうか?

Catch me Aho!
ゲームデザイン:T.プレヒト/イラスト:C.ベーグル
ヘルドベルクスゲームズ(2024年)
2~6人用/16歳以上/20分
国内未発売