【フェアプレイ誌による人気投票結果・獲得票数35以上】
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1位:ルイ14世(アレア) 2位:イース(イスタリ) 3位:オルトレ・マーレ(マインド・ザ・ムーヴ)
4位:ツァヴァンドールの王位(ルックアウト)、私の世界の見方(ファタ・モルガーナ)
6位:リープフロッグ(フラゴール)、オールドタウン(クリッカー) 8位:ナイアガラ(ツォッホ)
9位:ゲシェンク(アミーゴ)、モールワールド(ビーウィッチト)、新大陸(エガート)
12位:タイポ(クワリ)、盗賊の親方(ツォッホ)
【注目の新規メーカー】
ハッツファッツ、デスペラード(プフィフィクス) 庭のドワーフ、メタルルーギー(アルゲントゥム)
トリプラ(フーウィン) 建築作品(ユン) カブラモ(ギガントスコープ)
チーズ(カードチェス) ポルノスター(ペーパーゲームズ)
【おなじみメーカーの注目作】
金のビール(ツォッホ) ピラニアペドロ(ゴルトジーバー) 王の契約、チームワーク(アドルング)
リーフカウンター(R&D) 鼻むしり(スフィンクス)
カブラモ(Kablamo / C.Krämer & J.Moberg / Gigantoskop, 2004)
呼吸を止めてトリガーを引く…その次の瞬間あなたは生き残っているか?
まずは自分のピストルに弾丸タイルを6発込めます。撃ったら即死のタイル、イベントを発動するタイルが混ざっており、どの順序で弾を込めるかひとつ考えどころ。
全員用意が整ったら、シリンダーを回して一斉に弾丸タイルをめくり、タイルに書かれた数字の順にイベントを処理していきます。ピストルを隣りの人と交換したり、シリンダーを3つも回したり、予測のつかないアクションが次々と炸裂。決して安泰ではいられません。
生き残るためには、他の人が打ってくるアクションに対応できるタイル配置と、置いたタイルの位置の記憶が大事です。1ゲーム10分ぐらいで終わり、脱落した人も飽きません。
庭のドワーフ(Gartenzwerge e.V. / R. Mathar / Argentum, 2004)
ドワーフさん、建設会社にお勤めで
ドワーフを雇うときはお花で競りをします。この競りは一風変わっていて、いくらなら自分のドワーフを提供できるかという額を提示します。当然、一番低い額をつけた人がその分のお花をもらってドワーフを出すわけですが、雇い主がつけた最低落札価格より上でなければなりません。
高級なドワーフを手に入れれば競り値を上げることができ、よりたくさんのお花が入ってくるでしょう。ですがたくさんのドワーフを雇いすぎると維持費がかかります。メルヘンなイラストとは裏腹に実はシビアなゲームです。
鼻むしり(Popeln / H.Poehl / Sphinx, 2004)
そんな太い指で? 爪も長いですよ?
まず鼻カードと鼻くそカードが置きます。自分の番には手札から指カードを置いていって、鼻の周りに3本の指が置かれたら鼻むしり判定。緑色のダイス2個の合計が、カードに書かれた数字の合計を下回れば鼻むしり成功です。指カードを取り、新しい鼻くそを補充して再スタート。最後に獲得した鼻くそポイントの一番大きい人が勝ち。
成功率を上げるには太い指、つまり数字の高いカードを置くことになります。細い指ばかりではなかなか成功しません。でも気合を入れてダイスを振れば、細い指でもどでかい鼻くそをほじれるかも…とまあそれだけのゲームなので、ネタとして遊ぶものということで。
ルイ14世(Louis XIV / R. Dorn / alea, 2004)
政治力とは、お偉いさんの間をうまく立ち回ることなのでしょうか
テーブル上には貴族が斜(はす)に並んでいます。貴族は地位やお金を名誉やお宝に替えてくれます。廷臣となったプレイヤーはそれぞれに与えられたミッションを果たすべく、これらの貴族に影響を与え、それぞれの能力を自分のために使ってもらうようにしなければなりません。しかし影響力コマが置けるのは隣接する貴族だけ。人間模様はなかなか複雑です。
ミッションは達成が簡単だけれど報酬も少ない小さいものから、達成は難しいけれど報酬の大きいものまで3種類。いくつかのミッションを複合して達成するため、状況判断が大切です。
発売は来年2月のニュルンベルグ以降。何となくゴアとジェノバの商人を足して2で割ったような感じがしますが、ゲームはよく機能していると思いました。
ピラニアペドロ(Piranha Pedro / J.-P. Schliemann / Goldsieber, 2004)
あっちにおっとっと、そっちにおっとっとのペドロにピラニア虎視眈々
一斉にカードを出してオープン。カードには「東に1歩」「南に2歩」というような指示があり、スタートプレイヤーから順番に、指示通りにペドロを動かします。
川に入ったら手元から石を置いて道を作ってあげます。でも石がなくなったり、途中で待ち構えているピラニアにぶち当たったりしたらペドロは川にドボン。落とした人はピラニアコマをもらいます。これを最初に2つもらってしまった人の1人負けでゲーム終了。
前のプレイヤーがどこにペドロを動かすか、裏の裏まで読んでカードを選ぶことが生き残りの道です。捨て身のカード選択が意外な活路を開くこともあるでしょう。
ハッツ・ファッツ(Hatz Fatz / M. Ostertag / Pfifficus, 2004)
キャイーン…ってそんな鳴き声の動物いるのか
自分の番には場のカードをめくって新たな動物を出現させていきます。ヒツジ、馬、ネコ、カエル、カニ、いろんな動物がいます。動物が出てきたところで手札からカードをプレイ。そのカードに描かれた動物をカルタ取りの要領でとるのです。全員参加で早い者勝ち。森の中には何匹も動物がいますから、熾烈な競争が起こります。予めどの動物がどの辺にいるかだいたい把握しておかないと、先を越されることになるでしょう。
もしお手つきだったらどうするか。先にその動物の鳴き声を真似した方が勝ちです。しかし、カニの鳴き声ってどういうの? ヘビは? そこは想像力をはたらかせて「シュルシュルシュル…」「キチキチキチ…」とか適当に言いましょう。面白い鳴き声で相手を笑わせればこっちのものです。
お手つきでもないのに鳴き声を言う人続出(それはルール違反ではないらしい)。にぎやかなゲームです。
デスペラード(Desperado / H. Ostertag / Pfifficus, 2004)
強盗は必ず成功する。問題は誰が一番手柄を立てたかだ
はじめは強盗計画フェイズ。銀行や鉄道の前に無法者カードを並べます。笑ってしまうほど悪人面のカードが並び、規定枚数に達したら強盗実行フェイズ。今度は全員一斉に無法者カードを出して、一番強いカードを出した人が獲物をせしめます。
無法者は計画のときに並んでいた者だけが実行に参加できるので、計画に出すカードと実行に出すカードを両方用意しておかなければならないのが悩みどころです。また、負けてもカードはなくなってしまうので、勝てそうにないところは降りるのも大切。実行に加わったことのある無法者は経験値が上がり、次の強盗で力を発揮するでしょう。
カードさばきに戦略性が要求され、とても頭を使うゲームになっています。
ポルノスター(Project Pornstar / Anonymous / Papergames, 2004)
これで君も今日からAV監督…決して楽ではないですよ
カードを1枚ずつ自分の前に並べていき、8枚以上になったら映画完成。カードにかかれた星印の合計だけ収入になります。ですから五ツ星級の女優・男優を揃えておきたいわけですが、そういう人気者は狙われます。
他のプレイヤーはお金を払って「聖書」とか「おばあちゃん女優」などのマイナスカードを押し付けることができるのです。そんなのが登場してきたら収入がた落ち。ドイツの深夜番組でもおばあちゃんが脱いだり、いきなりゲイシーンが出てきたりして安心できません。
そんなマイナスカードを補うべく、また新たにスペシャル女優を登場させ、カードは8枚どころか10枚、12枚…こうしてオールスターキャストのすごい映画ができていくのでした。
メタルルーギー(Metallurgie / M. Hennebach / Argentum, 2004)
輝くものが必ず金とは限らない。でも輝いていればそれでいいじゃないか
はじめは鉄から。鉄の上には銅、胴の上に銀、そして金とカードを重ねて置いていきます。鉄なら9枚、銅なら7枚、銀5枚、金3枚のいずれかがつながったところでポイント。上位の金属ほど置くところがないので、少ない枚数でポイントになるようになっています。
ポイントを獲得したら場から何枚か除去します。すると除去した下から別の金属が出てきて、またつながれば再びポイント。この連鎖をうまく作れるかがミソです。
中途半端に成長させてしまうと、次の人が取ってしまうし、かといってカードを出し惜しみするとチャンスが回ってきません。上手に仕込んでタイミングよく取りたいものです。
金のビール(Goldbräu / F-B. Delonge / Zoch, 2004)
ビール利権の構造、それは協力と裏切りのバランスにあった
プレイヤーはビジネスマンとなって6つのビアホールと4つのビール工場に社員を送り込みます。ビアホールを拡張し、自分の息がかかった社長をすえて決算日に臨みます。
決算日には、ビアホールの大きさに応じた収入が入り、それをビアホールとビール工場で山分けします。それぞれ配置した社員の数で収入が入ります。しかし飲んだくれのおっさんがいるビアホールは収入激減。おっさんは隣りのビアホールに行ってもらいましょう。
独りだけで切り盛りしようとしても限界があります。うまく他の人と協力して一緒にビアホールを育て、ちょっとした利益の差を積み重ねていくのがコツです。
ナイアガラ(Niagara / T. Liesching / Zoch, 2004)
誰も自然に逆らうことはできない。巨大瀑布で命がけの宝探し!
船は一番上流から漕ぎ出します。数字タイルを1枚選んで、全員一斉にオープン。その数だけ船を進め、宝石を積み、スタートまで戻って宝石をゲットします。
さて全員の移動が終わったら、川が流れます。全員が出したタイルの中で一番小さい数だけ透明の円盤を上から押し出し、船は下流へ。みんな大きい数を出していると流れも早いですよ。滝から落ちてしまったら積んでいた宝石はなくなり、新しい船を買うために獲得した宝石を支払わなくてはなりません。あの滝から落ちたら命は助からないでしょう。
数字タイルの中には天候を変えるタイルがあって、流れを早くしたり遅くしたりできます。これで計算が狂い、下流にいた船は滝に飲まれて南無阿弥陀仏なんてことも。みんなが持っている数字タイルの残りをカウントしつつ、船の状態を見てどの数字を出しそうか心を読みましょう。
箱をそのまま使って立体的に作ったボードは迫力満点。自分はいやでも、他の人の船が落ちるところを見てみたいのが人情ってものではないでしょうか。
建築作品(Bauwerk / K.Yun / Yungames, 2004)
どこにどの向きで建ててもいい。混沌こそ美しさの源
両プレイヤーは灰色と青色に分かれ、ボードの端から端へ建物と橋を使って自分の色をつなげます。建物は縦、横、平らの3パターンで置くことができ、橋は建物と建物の間に置きます。相手の建物を使ってもかまいません。
得点が入るのは自分の色をつないだときと、橋の上や橋の下に新しい橋をかけたとき、そしてゲーム終了時。一本道で長いルートを作れば高得点です。いいルートを確保し、相手のルートを邪魔するにはどこにどの向きで建物を置くのがいいかという戦略性と、そして入り組んだエリアに建物や橋を置く手先の器用さが問われます。
王の契約(Im Auftrag des Konigs / L. Kutschke / Adlung, 2004)
疾きこと風の如く、静かなること林の如く
はじめ騎士たちはお城に集められます。ここでアーサー王からミッションを託され、また必要なトレーニングを積んで力を増やしておきます。準備が整ったら馬に乗って各地へ。そこで指定された力を使ってミッションを達成すれば勝利ポイントが入ります。規定ポイントを集めるのが目標。
武力や知力、ミッション、移動などのカードは順番に1枚ずつ取ります。ここで他の人がどのミッションを狙っているのか見て先を越されないように、ときには邪魔しながら作戦を練ります。3枚取ったら行動開始。難しいミッションに挑戦するのも大事ですが、常に他の人の動向に眼を光らせておかなければなりません。武運を祈ります。
チームワーク(Teamwork / M. Andersch / Adlung, 2004)
ある概念を2人チームで文で表現し、他の人に当ててもらうコミュニケーションゲーム。英独仏伊の4ヶ国語対応。
例えばお題が「消火器」だったとします。チームを組んだ2人は交互にこれを説明する文を作っていきます。もちろんお題に入っている文字を使ってはいけません。
「炎を」「なくす」「ために」「使う」「学校などに」「設置された」「赤い」…(英語なら”a””man ” “uses” “to” “kill” “flame”…)
残りの人の中で一番最初に当てた人がポイント。出題者を変えて、新しいお題を出します。
辞書やアップルのカードを使えば遊ぶことができそうですが、外国語教育などに活用することもできそうです。
トリプラ(Tripra / J / Whowins, 2004)
韓国のゲームカフェ生まれ、最注目のボードゲーム
新しい建物は建築家を移動して建てます。建て増しもできて1階建てから2階建てへ、そして3階建ての最強建物「トリプラ」へ。トリプラに止まった人が払うお金は、なんと10倍になります。
面白いのは建て増しをするとき、他の人の建物をつぶせるルール。みんなで協力してトップ目のプレイヤーの連結を切れば、勝敗はまだわかりません。また四隅に止まると引けるイベントカードも、建物の位置を交換したり、トップの人にお金を払わせたりして勝負が均衡してきます。
モノポリーやバンカースのエッセンスを抽出しつつ、陣取りという要素を加えることで全く新しいプレイ感を獲得しました。テストプレイも綿密でバランスもしっかり取られています。ドイツのメーカーも注目していて、またボードゲームの時代がやってきた日韓の橋渡しという意味でも今年のエッセン最注目の作品です。
チーズ(Käse / J.Widderich / Cardchess, 2004)
感動的なコンポーネント。子ネズミがチューチューチュー
はじめに自分の色が指定されます。この色のネズミを自分の陣地に返すことが目標。自分の番にはチーズのふたを取ると下に数が書いてあって、この数だけネズミやフタやネコを移動します。フタでネズミを捕まえるとお腹にある色を見ることができ、ネコでネズミを捕まえると中央に戻すことができます。またイスを使ってネコやネズミの移動をさえぎることも可能。どのネズミが何色か記憶しながら、効果的に移動していきましょう。ネズミは端の穴から反対側に移動することもできます。
何といってもコンポーネントが圧巻です。この写真の通りのものが入っていて、眺めているだけで幸せな気分。その割に値段はあまり高くないのでつい買ってしまいました。
オルトレ・マーレ(Ortre Mare / E. Ornella / Mind the move, 2004)
商機はそうそう訪れない。交渉力で流れを引き寄せよう
「オルトレ・マーレ」はイタリア語で「海を越えて」という意味。イタリア商人がスパイスや銀を求めて地中海沿岸を巡ります。一番の富を築いた人の勝ち。
交易品は数をそろえるほど収入が上がります。そのため他の商人と交換をして同じ交易品を揃えなければなりません。交易品によって価値は違いますが、交換にたくさん応じるほど後でお金が入るので積極的に関わりましょう。
交換が終わったら船に積みます。このとき積んだカードに従って収入や移動などのアクションを行います。移動先では特殊能力が手に入ります。こうしたアクションや能力を使いこなす経営力が勝敗を分けるでしょう。交渉と戦略のほどよいミックスが楽しいゲームです。
オールドタウン(Oldtown / S. Riedel / Clicker Spiele, 2004)
昔懐かしい街は荒野に。あの建物ははたしてどこにあったのか
手番には「教会は線路の北側にあった」「学校は北東の一角にあった」などのカードを出し、可能性のあるところにチップを置いていきます。さらに「教会は学校の向かいにあった」などのカードを使って可能性を絞り込んでいき、一箇所に絞り込まれた時点で建物を置きます。
可能性が絞り込まれるたびに取り除かれたチップがその人の得点。つまり可能性を消せば消すほど得点になるわけです。建物は全部で18個。どの建物について可能性を消せば高得点になるのかとても頭を使います。
今までにないパターンのゲームで慣れるのに時間がかかりますが、慣れてくると大量得点もできるようになり、面白さが増します。故A.ランドルフが「テーマとシステム共にオリジナルですぐれたゲーム」と評したそうです。
イース(Ys / C. Demaegd / Ystari, 2004)
姿を明かさない謎のブローカー。果たしてその実力はいかに?
宮殿、街、港、市場に自分の手下となるブローカーを配置。各エリアで一番強い手下を置いた人が宝石やお金、特殊能力カードなどの恩恵を受けます。手下は1つが数字公開、もう1つが数字非公開で置かれるのでブラフも有効。
市場では宝石の相場が変わります。みんなが持っている宝石を見ながら、どの宝石を集めればよいのか、相場をどのように変えればよいのか考えましょう。価値が下がった宝石でも、一番多くもっていればそれなりの収入があります。
タイブレークの仕組みもしっかり作られており、ドイツゲームの雰囲気が漂う重厚なゲームでした。オンライン版あり。
リーフカウンター(Reef counter / R.Breese / R&D-Games, 2004)
静かなる侵蝕。さまざまな種のサンゴがおりなすストラテジー
サンゴ礁がある程度成長したら、タイミングをみはからって自分の魚に食べさせます。大きければ大きいほどOK。でも1つだけ成長させていては皆から狙われてしまいます。攻撃を分散し、また共存してエリアを確保していくためには一度にいくつかのサンゴを育てておくのがよいでしょう。
手番にできる選択肢が多く、他の人の動向を見た戦略的な展開が必要となります。
リープフロッグ(Leapfrog / The Lamont Bros. / Fragor Games, 2004)
ピョンピョンピョン、カエルのレース
でもチップの数字はこれ以上追い越されない数も表します。例えば1なら1つ以上後退しません。その後ろにいるカエルはどんなに大きい数でも追い越し不可。これが思わぬドラマを生みます。
勝てないようならブービー狙い。下位に終わるともらえるトークンを集めればポイントになるのです。最後に一番ポイントを集めるのは誰でしょうか。
カエルは色だけでなく形も少しずつ違っていてリアルでした。色がサイケデリックです。