ゴールデンウィーク中に山形でゲーム会を企画したところ、いつもよりたくさんの方が遊びに来てくださった。メンバーは新潟からnaskaさんほか5名、仙台からぽちょむきんすたーさんと神尾さんと夢さん、福島からMさん、そして山形から上野さんと私。ずいぶんと広域である。うちから新潟は道のりで130km、仙台は100km、福島は70kmもあり、全員の移動距離を合わせると1000km以上になる。そんな貴重な機会だったが、自宅なのに急な仕事が入って後からの参加(家に寄って先に始めておいて頂いた)。その結果いくつか遊び逃したゲームもあったが、夕方から急いで復帰し、夜遅くまで楽しんだ。
パレード
パレード(Parade / bone5 / グランペール, 2008)
ゲーム内容はこちら。がまん比べの苦しみを楽しめるだけでなく、終盤は取ったほうがよい場面があって悩ませる。小さい数字でも大丈夫だったり、大きい数字でも危なかったりするバランスも絶妙で、人数が少なければ出す順番の戦略も生まれるだろう。
色別に枚数の一番多い人は数字でなく枚数でマイナスになるので、9や10などを取ってしまった人は終盤でなくても積極的に同じ色を集めるようになる。だが5や6あたりを取った場合の判断が難しい。枚数を集め始めると別の色も一緒に取らなくてはいけなくなったりして思わぬ傷口を広げることになる。ほかの人が何を取りたいのか、取りたくないのかを見越すことで起こる読み合いも楽しい。
今回は6人でプレイ。人数が多いとギリギリの読み合いはないが、パーティゲームのノリで「キツイぜ~」「もう我慢できね~」というふうに遊べて楽しかった。
狩って獲って(Hatz Fatz / A.&M.オシュテルターク / プフィクスシュピーレ, 2004)
ゲーム内容はこちら。カルタ取りなのだが、同時だと鳴き声を言ったほうが勝ち。しかもザリガニとかカメとかウサギとか、鳴き声の分からない動物ばかりという可笑しさだ。
鳴き声のわからない動物は、でたらめでも思いつきで鳴く。「シャーシャーシャー!」「フガフガフガ!」そしてその鳴き声に相手がひるんだ隙にゲットするのだ。笑ったり気後れしたりしていてはいけない。大人気ないプレイ推奨。
タカハシさんが圧倒的な勢いで優勝。タカハシさんと私が同じカードの上に手を置いてヘンな鳴き声をあげているという、大人気ない一騎打ちはほかの人を十分引かせていた(笑)。
バカなことほど真剣に!
いいセン行きまSHOW!(Iisen Ikima Show! / 川崎晋 / カワサキファクトリー, 2008)
正解が分からないような問題を皆で適当に解いて、全員の回答の中間になることを目指すゲーム。ルール自体は前から公開されており、All Aboutで紹介されたりもしていた。それが今年のゲームマーケットで作者が自ら作成した問題カードや、書いて消せるボードを同梱して製品化されたというわけである。
どうやったって分からないような問題を出し、全員が数字で答える。それを多い順に並べて、真ん中になった人がポイント、両端の人はマイナスというシンプルなルール。こんな問題が付いている。
・「贅沢な食事」と呼べる外食は、何円以上からでしょう?
・今、このゲームを遊んでいる地点の半径100km以内にあるコンビニエンスストアは何軒でしょう?
・現在、日本国内にいる人の中で、スプーン曲げを試みたことのある人は何人でしょう?
・カルビー「かっぱえびせん」一袋に入っているえびせんの数は平均何個でしょう?
・「優等生」とは、小学校6年間で先生に注意される回数が何回以下の人のことでしょう?
写真は最後の問題の答え。5回と答えた神尾さんがポイント。私は19回とか答えてマイナスだった。「贅沢な食事」ではほとんどの人が数千~数万円という中、スギハラさんが799円という回答で笑いと涙を誘っていた。戦略的に800円より1円引いたところがまた可笑しい。この回答は伝説に残るだろう。
実際の正解がどうかは関係ない。むしろ正解を雑学で知っているという思い込みほど危ない。みんなの顔色を見て「このメンバーならこれくらいを書きそうだ」と予想するところがポイントである。それにしても自分の常識が少なからず反映されてしまい、「おまえマジかよ!」と驚きあう。コミュニケーションゲームの定番になりそう。
トレジャーボックス(Treasure Box / hammer / Hammer Works, 2008)
ダンジョンマスターが隠した宝箱を開けて財宝を集めるゲーム。行列のできる同人ゲームの筆頭、HammerWorksが今年のゲームマーケットで発表したゲームである。
6つの宝箱があり、宝箱によって中に入っている財宝に+10、+20、×2などのボーナスを与えるものがある。ダンジョンマスターになった人は、ここに所定の宝を隠す。その中にトラップカードがあり、これが入っている宝箱を開けてしまった人はダンジョンマスターに手持ちを奪われてしまうというわけだ。
普通に考えれば得点の高くなる「×2」の宝箱にトラップを入れるだろう。でも裏をかいて別の宝箱にトラップをしかけ、誰も開けないであろう「×2」の宝箱には高い財宝を入れておくかもしれない。一方の探検隊は裏をかいて「×2」の宝箱を開ける手がある。そう考えるとストレートに「×2」にトラップをしかけておいたほうがよいか……ダンジョンマスターと探検隊の心理戦が熱い。
獲得した財宝は『ダイヤモンド』のように途中で引き返せば確保できる。しかしさらに進めば高額の財宝が。でもトラップの確率も上がっていって……進むか退くか悩ましい。
最終ラウンドは2倍というお約束のルール。夢さんが一気にトップに上がってほかの人が追う展開となった。タカハシさんの裏の裏の裏をかいたトラップにはまって逆転できず。究極の選択が続けざまに襲い掛かるゲームで白熱した。
それ何やねん?(Was’n das? / P.パリエール / ラベンスバーガー, 2006)
ゲーム概要はこちら。最初の1アイテムをつかんだ時点でいくつかを消去し、場合によっては回答するという瞬殺プレイがここでも起こった。そうなると推理というよりは反射神経のゲームになってしまうのだが、上野さんが網の右上にカードを置いて表した「香川県」には一同感心。しばらく考えてひらめいた人から回答できた。
全員が一瞬で回答してほとんどが正解となる中、なぜそれを取るとこの答えになるのか思いつかないスギハラさん。得意不得意もあるようだ。夢さんが驚異のひらめきと反射神経で1位。私は結構得意だと思っていたが、今回は早とちりも多くて叶わなかった。
ウントチュース(Und Tschuss! / M.ワレス / ゴルトジーバー, 1997)
ゲーム内容はこちら。手札が悪いときの対処が勝敗を分ける。最初に降りて全取っ替えするか、よいカードを温存しつつ最後まで残って補充するか。今回はそれがうまくできずに沈んだ。
決勝で負けては元も子もないので、その前で「-5」なんか出してベタオリするという手もあるが、2人とも同じことを考えていて決勝に進まなければいけないことがあって面白かった。手軽にできて、毎回違った展開が楽しめるので繰り返し遊べる。よいゲームだ。