秋葉原水曜日の会 08/04/02

秋葉原水曜日の会 08/04/02

年度替りで何かと忙しいこの時期、子どもの進級式に出てから秋葉原へ。いつもより集まりが遅く、ゲームが始まったのは1時半過ぎである。春休みということで親子連れも見られ、いつも以上にさまざまなゲームが遊ばれていた。

スリードラゴンアンティ大きいAと小さいaダビデとゴリアテ交易王かくれんぼオバケ墓場の吸血鬼

スリードラゴンアンティ(Three-Dragon Ante / R.ハインソー / ウィザーズ・オブ・コースト, 2005)

スリードラゴンアンティ強いドラゴンの弱さ

3枚のカードを順番に出して合計値を競うカードゲーム。有名なTRPG「D&D」こと『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をテーマにしている。ホビージャパンが『イン・ファイティング』に続いて日本語版を発売。テキストがあるカードなのでとても遊びやすい。
まずはこのラウンドの賞金を決めるところから。手札からカードを1枚一斉に出して、一番数の高いカードで賞金が決まる。全員がその金額を出して、勝った人が総取りするというわけだ。
 賞金が決まったらスタート。順番に手札から1枚ずつ出し、一番数の高かった人から2周目、同じように3周目と続けて、3枚の合計が一番高い人が賞金をもらう。これを繰り返して破産者が出たときにお金の多い人の勝ち。
 面白いのはそれぞれのカードに書かれた特殊能力だろう。賞金からお金を盗んだり、強いカードを出している人からお金や手札を取ったり、山札から引いて交換したりできる。前に出したカードによって特典を得られるものもある。それほど種類も多くないし、アメリカゲーム的な破壊的なものもない。中規模のカードがほどほどに含まれているので、出てくる特殊能力を予測しながら戦略をたてる余地も十分に残されている。
 悩ましいのは、前の人の出したカード以下の数値でなければ特殊能力が発動しないこと。つまり、特殊能力を使っていると3枚の合計値が必然的に下がってしまうというわけだ。カードの使いどころがほかの人に左右される。
 私は例によって最初から飛ばしていく。強いカードを出せる限りだして賞金を狙う手だ。手札にも恵まれうまくいったが、賞金が安いときにも頑張ったせいで息切れ。反対に序盤は捨ててカードを溜め込んだしむしゅさんが猛追し始める。ETaroさんは特殊能力でお金集め。結局、私の度重なる攻撃をかわし、最後の大賞金ラウンドを接戦で制したHiroさんが1位。
 カード間のバランスがよく、どのカードを出すか選択で考えさせるようになっており楽しめた。

大きいAと小さいa(Das grosse und das kleine A / W.クラマー / アミーゴ, 1996)

アゴのエース、来ないでぇ

皆が大嫌いな2人のアゴオヤジを押し付けあうカードゲーム。『ニムト』といい『ペッパー』といい、クラマーの押し付けあうタイプのカードゲームは盛り上がる。
 最初に配られる手札を全部なくした人の勝ちだ。『大富豪(大貧民)』の要領で最初の人は同じ数字なら何枚でも出すことができ、あとの人は同じ枚数で数字を上回るなら出すことができる。出せる限りだしていては弱いカードばかりが残ってしまう。時にはあえて出さない選択をしないと手札は減らないだろう。
 第1ラウンドと第2ラウンドで一番数字の大きいカードを出した人には、それぞれ「小さいaカード」と「大きいAカード」が与えられる。それぞれ-15点、-20点という失点の大きいカードだ。これらを出すには再びスタートプレイヤーを取ることが必要で、そのとき1枚だけ出すことができる。これが出ると全員強制的に1枚出して数字の大きかった人が引き取らなければならない。「小さいaカード」は取った瞬間にマイナス点確定。「大きいAカード」は再び手札に入れて後で押し付けあうことになる。押し付けられないように小さい数字のカードをキープしておきたいのだが、小さいカードばかりでは上がれない。反対に大きいカードばかり残しておくと「大きいAカード」を回避できなくなってしまう。どのタイミングで回ってきそうか予測しながら出すカードを考えたい。
 今回は8人でプレイ(9人まで遊べる)。2ラウンドともETaroさんが小さいaお引取りでダントツ最下位。みんなが要領を得てくると大きいAカードがほどよく回ってくるようになった。一度私のところに来たが、一緒に来たジョーカーを出して再びスタートプレイヤーになり放出。それを我慢できずに取ったHiroさんがカードを減らしにいったところでしむしゅさんが上がり。
 カードを出せるところであえて出さない選択が悩ましい。Aカードが出て、皆1枚ずつ弱いカードを出していくときの緊張感もいける。

ダビデとゴリアテ(David & Goliath / R.シュタウペ / ベルリナーシュピールカルテン, 1998)

取ってはいけない1枚

獲得トリックを各色2枚以下に抑えるトリックテイキングゲーム。シュタウペの作品で98年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品、アラカルトカードゲーム賞2位。
 スタートプレイヤーから1枚ずつ順番に出して数字の大きい人が勝つというのがトリックテイキングの基本。このゲームではさらに、一番数字の小さいカードを出した人が一番数字の大きいカードを1枚取るというルールと、リードカラー(最初に出された色のカード)が切れたときに出したカードも数字で勝負するという点を加えている。これでより多くの人に行きわたりやすくなっている。
 全トリック終了後に、色別に得点計算する。2枚以下なら数字の点数、3枚以上なら枚数が得点。黄色の12と13だけを取っていれば25点だったのに、誰かから黄色をもう1枚押し付けられただけで
一気に3点ぽっちになってしまう。2枚になったら何とかその色を取らなくてすむように考えよう。もちろん、周りの人は何とかして3枚目を取らせようとあれこれ手を打ってくる。
 余計なルールがなく手軽でいて、たった2,3点の変更でゲームをこれだけ面白くしてしまうのだからシュタウペはエライ。

交易王(Handelsfürsten / R.クニツィア / ペガサスシュピーレ, 2007)

場の展開に応じて

初手の手札が場札と全く違うと必然的に出遅れることになる。そんなときにどうしたらよいか。ほかの人の品物と色を合わせておこぼれを狙いつつ、手札を増やしておくというのが正解だと思う。でも中盤までそのおこぼれすらなく、厳しい展開だった。
 手札を皆引きまくっていたのでゲームは早々と終了。結局何も買えなかったが、その分お金もなくならなかった。1位のおこぼれに預かって2位。こんなこともあるものである。
 購入されるカードの種類や、購入者の上家下家関係によってゲームの展開はだいぶ変わる。その展開に応じて品物をうまく選択していくのが大事だ。もちろん自分の選択も相手に影響を及ぼすからそれも考慮に入れる必要がある。単純そうに見えるゲームに潜む深さに、初プレイの方の評価は今度も上々だった。

かくれんぼオバケ(Gespenstisch! / M.シャハト / ハバ, 2006)

追い込まれたときの心理

ゲーム内容はこちら。緊張すると人は誰でも行動を取ってしまうという。それを読んで、あるいは読まされないで行動しなければならない。読まれそうな自分の心に嘘をつこう。
 今回は小学生を交えてのゲームだったが、大人だけのときと変わらず大いに盛り上がった。鬼のときに自分が選んでくれた部屋に皆が集まってきたときのほくそ笑み、オバケのときに鬼に捕まらなかったときの安堵感。移動のときもいろんな会話をするが、どこまで本気なのか分からない。「ばぁ!」と言ってカードをめくるたびに捕まったオバケが悔しそう。わずか10分ほどの間に緊張が何度も訪れ、それでいて行動の読み合いで飽きないゲームなのである。

墓場の吸血鬼(Dicke Luft in der Gruft / N.プローナ / ツォッホ, 2004)

墓穴を掘る

空いているお墓をめくってドラキュラを眠らせていく記憶ゲーム。ノミネートが初めて5タイトルだけになった2004年のドイツ年間ゲーム大賞でノミネート。ドイツゲーム賞の投票では子どもゲーム1位になっただけに年間キッズゲーム大賞でなかったことで異論があったが、確かに小さいお子さんには(記憶が)難しいだろう。今回一緒した小学生も大人相手では難しいようだった。原題は「墓場の重苦しい空気」。覚えていたはずのお墓がどこにあったか分からなくなって迷っているところには、確かに重苦しい空気が流れる(それが面白さなのだが)。
 目標は一定枚数の吸血鬼を全部埋めるかほかの人にあげるかしてなくすこと。手番にはお墓をめくって、自分の前にある吸血鬼の色と同じなら埋めることができる。色が違っていたらそこで終わりだが、悔し紛れにニンニクを入れておこう。誰かが後でめくったら吸血鬼を押し付けられる。先客がいるお墓もNG。クイを1本もらい、これが3つ貯まると全員から吸血鬼を押し付けられてしまう。
 ネズミが出たらチャンスで周囲のお墓を好きなだけめくれる。でもそこでニンニクや先客があったらペナルティもあるので、ひたすらめくればいいというものでもない。
 序盤はニンニクをどんどん仕込んでいく。中盤になると場所も覚え始め、ドラキュラがどんどん片付いていく。勝敗を決するのが終盤だ。ドラキュラは大方埋まっており、空いているお墓などなかなかお目にかかれない。ニンニクやクイでドラキュラを押し付けあうようになるので、その中でダメージを最小限にしなければならない。今回は順調に減らしたよたろーさんが押し付けたところで全部なくなり勝利。私も途中まで線行っていたが、自分のニンニクを何度か自分で掘り返すなど墓穴を掘りまくった。途中から確実に集中力が途切れたようだった。

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