行きたくてもなかなか行けないまま1ヶ月以上ぶりとなった秋葉原水曜日の会。この日は1年で最も多く花粉が飛びやすいという 「花粉症記念日」で、花粉症と風邪が抜けない状態だったが、そんなことを言っているとまたしばらく参加できそうにないので思い切って参加してみた。マスク着用だったけれども、ゲーム中に咳き込んだりして一緒に遊んでくださった方にはご迷惑をおかけしたのは申し訳ない。久しぶりのゲームでプレイもルール説明も勘が鈍っていたが、ボードゲームの楽しさを十分に堪能できた。
水曜日の会は会場の都合で14日、21日とお休み。参加を予定している方はご注意。
チンギスハン|チーズにかけろ
チーズにかけろ(Alles Käse / S.マトゥッセク / ハバ, 2005)
ハバ社の子ども向けアクションゲーム。すでに箱が三角形のチーズ型をしていてキュートだが、ゲームはもっとカワイイ。
取り出したるはチーズのかたちをした円形の筒。この上にチーズの輪をグラグラするように重ねる。一番上に、しっぽのついたネズミさんをセットしたら準備完了。
となりの人がダイスを振っている間に、チーズの輪を周りからトントン叩いて揃えると、あら不思議(重力です)、ネズミさんがどんどん下にもぐっていく。ダイスは6分の1でネコが出て、ネコが出たダイスから取り除く。これはネコが追いかけてくるイメージ。
一番下までもぐりこめれば成功でチーズゲット。ちょうど黒いしっぽがチーズの塔に全部隠れるのと、木製のネズミさんの頭が床に落ちる音がするので微妙な判定でもOKだ。一方、途中で5つのダイスが全部ネコになるか、チーズの塔を崩してしまったら失敗。何周かプレイしてチーズの一番多い人が勝ち。
となりの人がジャラジャラとダイスを振って「あと1個!」とかプレッシャーをかけてくる間、チーズの輪を微妙に調整しなければいけないのが面白い。大人同士では当然のごとく、チーズの輪をひどく互い違いにして、ちょっとのことで崩れてしまうように仕掛けてくるから難易度もアップ。崩れやすそうなところから直していくコツをつかんで1位。
ゲームは一瞬で、セットアップのほうが時間がかかるくらいだが、「うわー、そりゃきついな~」などとコメントしつつ準備するのもオツ。残念ながら今年から絶版になってしまったようだが、ハバ社の光るゲームのひとつとして記憶にとどめたい。
ライン公国(Rheinländer / R.クニツィア / フェイス2フェイス, 2005)
詳細はこちら。アメリカのフェイス2フェイス社がリメイクし、日本語ルールつきで発売した。クニツィアの作品ながら、初版がオランダのジャンボ社だったせいか日本での知名度が低く、ほとんど日本には入ってきていないようだ。紙タイルだった騎士コマが木製になり、大司教はやたら大きい木のコマになるなどグレードアップしたが、その分値段も高くなってしまったのがネックになったのかもしれない。フェイス2フェイス社は『ブームタウン』や『ウォリアーズ』などに次々と日本語ルールつきで販売してきたが、このゲーム以降はつかなくなってしまった。
ゲームは要塞が好きなところに配置できるというルールをよく確認しておかなかったのと、最初の騎士コマの数が多すぎたのとでちゃんとしたプレイはできなかったが、手持ちのカードの番号と盤上の隣国をにらみながら拠点を広げていく面白さは健在。大国にしすぎると置ける公爵の数が少なくなるけれども、かといって公爵をたくさん置くために小国を分散してつくっていては隣国に併合される恐れがあるというジレンマに、城・教会による特典や、都市のポイントに応じた地の利がいい味付けになっている。抜きつ抜かれつの攻防が熱い。参加者からまた遊びたいという声が聞けてよかった。
ポートベローマーケット(Portobello Market / T.オーデンホーフェン / シュミット, 2007)
イギリスの蚤の市で有名なポートベローマーケットを舞台に、露店で儲けるゲーム。今年のニュルンベルクで発売されたばかりの新作で、メビウス便で日本に入ってきた。作者は『ドルメンの神々』のオーデンホーフェン、イラストは『郵便馬車』のメンツェル。システム、イラストともに美しいゲームに仕上がっている。
手番には自分の色のお店を置くか、お客を袋から引いて置くかのどちらか。それで広場から広場までお店がつながって、その両端にお客がいるという状況になると得点計算になる。得点は、お店の場所の点数を、お客の種類によって何倍かする。
お店を並べてからよいお客を呼び込む作戦は、ほかの人が悪い客を置いてしまったりする恐れがあるし、かといって先にお客を置いてから出店する場所を決める作戦では、よいところをほかの人に取られてしまう。置ける店は非常に限られているので、適度にほかの人と提携して共同で列を作ることが必要になる。
しかし、ゲーム中に2回だけ、1つのブロックを指定してそこにあるお店から大量得点するチャンスがある。そのためほかの人を交えず、同じところに集中して置くのもひとつの戦略として有効だ。もちろん、その周辺には悪い客を置かれることを覚悟しなければならないが。
ゲームは公称35分。実際7~8回の手番で終わってしまうが、その分一手一手を慎重に考えるようになるので物足りなさは感じない。いろいろな勝ち筋がありそうなので、繰り返し遊ぶのもよいだろう。ただ足し算や掛け算を頻繁に行うので、暗算が不得意だとゲームがもたつくかもしれない。
中途半端にお店を分散してしまい、上客にも恵まれず、大量得点チャンスでも振るわず3位。客を袋から引く以外は運の要素がないゲームだが、ほかの人との絡みで状況が変わりやすいことや一目で損得が分かりにくいことから、長考せずに気楽に遊べるゲームになっていると思う。