秋葉原水曜会 05/08/24
秋葉原のイエローサブマリンで毎週のように開かれている水曜会に参加。今月3日にずーあーさん主催のゲーム会でも同時開催されているため、参加者の面々と顔をあわせるのは2回目となる。平日がお休みの人や学生が中心にミクシィで募集しており、誰でも参加できる。ボードゲームになじみのない人を対象としているため、遊ぶゲームは定番が多いが中には珍しいゲームを持ち込む人もいて、なかなか面白い会だ。ちょうど今日からつくばエクスプレスが開通して秋葉原が近くなったので、これからもちょくちょく参加したい。(写真提供:タナカマさん)
ウィング・オブ・ウォー
ウィング・オブ・ウォー(Wings of War/A.アンジョリーノ、P.G.パグリア/ネクサス出版, 2004)
イタリア発のリアルな飛行機撃墜ゲーム。真っ直ぐ、左旋回、右旋回などのフライトカードをプロットして、テーブルの上を縦横矛盾に飛び回る。カードを実際に飛行機の前に置き、その矢印に合わせて飛行機を置くというアナログさが臨場感を生み出す。
プロットは先に3枚並べ、1枚ずつめくって移動していく。相手の飛行機の出方を予想しながら、背後に回りこむように、また背後から迫られている場合はうまくかわせるように考えて飛ばなければならない。飛行テクニックが要求される。
射程範囲に敵が入れば、ロックオン!相手にダメージカードを食らわせることができる。お互い射程範囲に入ったら相討ち、さあ、先に撃墜されるのはどっちだ?
飛行機によってキャラクターが異なり、小回りは聞くけれど強度のないもの、右には鋭く曲がれるのに左は大回りになってしまうもの(欠陥か?)、背後にも攻撃できるものなどがあり、長所を生かすような戦い方をすることが大事だろう。
本来は2対2でチームを組むのだが今回は3人なので個人戦で。タナカマさん、りてんさんに序盤あっさり墜落寸前までダメージを食らったが、その後幸いにも0ポイントのダメージカードを引き続けて生き延び、リベンジを果たすことができた。臨場感が生み出す興奮あり、両手を広げてぶーんぶーん言いながら走り回っているような子供心ありの素敵なゲーム。斬新だ。
逃げろや逃げろ(Rette sich wer kann/R.ヴェッタリング/W.ミューラーズ・ゲーム工場, 1993)
船が沈没した! 乗客は緊急ボートに乗って近くの島を目指す。しかし緊急ボートはどんどん浸水し次から次へと沈んでしまう。さらにボートの上でも誰を海に突き落とすか話し合いが。人間、極限状態になると何をしでかすかわかったものじゃない。自分の色の船員を1人でも多く島に避難させよう。
ゲームはどの船に浸水させるか、どの船を進めるか秘密投票で決めながら進行する。色を決めたら一斉にオープン。同点の場合はスタートプレイヤーが決める。さらにゲーム中に1人3回まで、キャプテンの切り札を出して投票を無効にし、自分の好きなようにすることも可能。だがキャプテンがバッティングすると、効果が打ち消されてしまうから難しい。さまざまな思惑の中から誰が何を狙っているのか読み合いが白熱する。
浸水したときに船が満員だと、誰を海に落とすかまた投票で決める。そこはまさに生き残りをかけた修羅場。望みのない船はさっさと見捨てて他の船に移ってしまおう。ずぶぶぶ……
さて今回のプレイ。黄色の船が1回も浸水せずにゴールすると、ポイントを多く獲得したりてんさんとタナカマさんが叩かれ始めた。最後のデッドヒートはキャプテンを1枚ずつ残したかがわさんと私がバッティングし、かがわさんがスタートプレイヤー特権で緑の船を進めて勝利。誰の狙いに便乗するか、そしてどこでキャプテンを出すか、心理的な要素も含めて深くのめりこめるゲームだった。
緊急アナウンス「Rette sich, wer kann(各自全力で脱出してください)」をタイトルにしたゲームはこれまで3作発売されている。R.ホフマンの2人用ゲーム(1968/2003、クロコダイル・パーティ)、W.クラマーの作品(1983)、そしてこのゲーム。マイナーな作者、メーカーながら1994年のドイツゲーム賞(6ニムトが1位を取った年)で5位に入っている。
フェレータ(Verräter/M-A.カサソラ・メルクル/Adlung, 1999)
詳細はこちら。一手のミスでも、ゲームに大きく影響するシビアなゲームだ。今回はかがわさんが裏切った戦いで田中風太郎さんが単独勝利。街を落として一挙15点を叩き出した。その大量リードを他の3人が追う展開に。その後は裏切りが出ず、3対1のまま。3人だと戦に勝っても勝利点が少ないから、少しポイントの難所を攻略することになる。このあたりの選択の幅があることもこのゲームの隙のなさだろう。
結局、最後の決戦で孤立無援の田中さんが勝てず、勝利は僅差で私のところに転がり込んできた。ルールの理解は意外に難しくないが、まともに戦うためには何回か遊んで機微をつかむことが必要なのかもしれない。特に裏切り者はリスクを伴うため、そのタイミングをはかって効果的に出すところが難しい。
アマゾンの生き物(Coloretto Amazonas/M.シャハト/アバクス, 2005)
ヒット作コロレットの後継作として発売されたばかりのカードゲーム。プレイ時間約20分とお手軽なところは引き継いでいるが、ゲーム内容はがらりと変わった。
陸海空沼4つのエリアに住んでいるアマゾンの生き物。3枚の手札から1枚ずつ出していき、陸だったら6種類、空だったら4種類全部を揃えるのが目標だ。同じ種類の生き物は出せないから、段々揃えにくくなっていく。その上、他の人に同じ種類のカードを出されると、それを除去しなければならなくなるので上がりが遠のいてしまう。
よく計算して今一番勝っている人を追い落とそうとしても、点数が足りないからといって高得点の上がりを目指そうとしても、手札が3枚しかないので何もできないことばかり。そこまで勝敗のこだわらないで、のんびりと遊ぶ気楽なゲームのようだ。コロレットのような悩ましさは残念ながら期待できない。
マネー(Money!/R.クニツィア/ゴルトジーバー, 1999)
当時はまさかの大賞ノミネートと言われたカードゲーム。この年度にクニツィアはラー、サムライ、ロストシティなど今に残る数多くの傑作を発表している。大賞はティカルだったから、難しいゲームが除外されたわけでは決してない。クニツィアが「無冠の帝王」と呼ばれるのもこの年の出来事が大きいかもしれない。
さてそのカードゲーム、手札からカードを出して場札や他人の手札と交換しながら、同じ通貨をできるだけたくさん集めるというコレクションゲームである。手札を出して一斉に公開、金額を多く出した人から選んで取っていく。場札も手札もそれぞれセットで扱うから、あまり悩むことはない。自分が集めている通貨が入っているセットを取り、要らない通貨を出す。基本的にその繰り返し。
欲しい通貨が入っているセットを他の人も狙いそうならば、多少なりとも自分のコレクションを崩して競りで勝つようにしなければならない。どこまで崩せば勝てるのか、最後に得点になるリソースを使った競り特有の悩ましさがある。
私は当然福沢諭吉を集めた。他の人は幸いにも集めていないようで結構簡単に手に入る。しかし1種類では太刀打ちできそうになく、2種類目のポンドに手を出したが伸び悩んだ。競りが入っているものの難易度は低く、その分歯ごたえがあまりないような気がした。