自宅ゲーム会 03/06/21

自宅ゲーム会 03/06/21

白紙さん、かゆかゆさん、カワサキさんと私の4名でゲーム会。国内未発売の年間ゲーム大賞ノミネート作品を遊ぶべく、昨年と同様に個人輸入した。昨年は6つもあったのだが、今年は3つのみ。ついでに輸入したものがいくつかあって、珍しいゲームが並んだ。国内で遊ばれた記録がないものを遊ぶのは宝探しをしているようで楽しい。しかし結局、当たり外れの激しさ(しかも外れ優勢)を目の当たりにすることになるのであった…。

フレッシュミートルーミスザロンバアルハンブラバーンレイト|コロレット|ブル&ベアバルーンカップ

フレッシュミート(FrischFleisch / F.Friese / 2F Spiele, 1999)

フレッシュミート 食べ物のない砂漠で人間を食べて生き延びるサバイバルゲーム。エキセントリックなテーマで知られるフリードマン・フリーゼの作品です。近年は「看板娘(FischeFluppen Frikadellen)」や「電気ショック(Funkenschlag)」でテーマが丸くなったような気がしますが、このゲームはキテいます。テーマの劣悪さから、対象年齢が18才以上に設定されているほどです。再販された同社の「フレッシュフィッシュ(FrischFisch)」と紛らわしいタイトルです。
各プレイヤー6人のグループを受け持ちます。マフィアチーム、女性チーム、旅行者チーム、変人チーム…。彼らは食料を求めて砂漠をさまよいます。ですが食料はなかなか見つかりません。そのうちに、人間に襲い掛かります。戦闘をして、勝てば相手を食料にしてしまえるのです。
 各キャラクターは大きいほど攻撃力が高くなりますが、その分空腹を満たすための食料も多く、また負けて肉になったときにはたくさんの食料ができます。小さいキャラクターは弱々しく、攻撃されやすいですが、最後まで生き残れば高い勝利ポイントが入ります。
 戦闘は戦闘チップを一斉に公開してキャラクターの攻撃力に追加し、多い方を勝ちとします。ですので弱いキャラクターでも戦闘チップをつぎ込めば勝てるチャンスがあります。しかしながら戦闘チップには限りがあるので、少なくなって足元を見られないように引く(=負けて食料になる)ところは引かなければなりません。相手の食料になるのが嫌ならば、自分のチーム内で共食いをして食料を自給することもできます。4ラウンド行って、生き残っているキャラクターの勝利ポイントを合計し、多い人が勝ちです。
 砂漠上の位置取りもさりげなく重要で、ほかのプレイヤーの強いキャラクターや弱いキャラクターがどこにいるか抑えておくことも効果的だったと思います。1位は弱々しいキャラクターを守り抜いた白紙さんと、無益な争いを上手に避けたかゆかゆさん。各チームのキャラクターが独特で、それで盛り上がっていました。私のチームには、ジェイソンやらフリーゼ(作者!)が登場して、面白かったです。
人をくったテーマ、危ういゲームバランス、整理されていないルールなど2F色
満点のゲームでした。知り合いじゃないと気まずくなるかも(笑)。 しかし、18
歳以上のボドゲって…。

 ただブラックユーモアっぽいだけでそれ以外特にこれといったものがないと
いう印象。どうせなら移動などのルールをもっとシンプルにして殺し合うだけ
にした方がいいんじゃないのかなぁ。

ルーミス(Rumis / S.Koegl / Murmor, 2001)

 さまざまな形の立体ブロックを積み上げるパズルゲーム。スイスの小メーカーがエッセンで発表していたものですが、2003年の年間ゲーム大賞にノミネートされて注目度が突然上がりました。小さいメーカということもあり、品薄になっているようです。
 手番に1つずつ、ブロックをボードに置いていきます。置くルールは「自分の色のブロックに隣接する」または「ボードの底面に隣接する」というシンプルなものです。
 ボードは4枚入っており、ピラミッド、塔、階段、壁などの最終的にできる形が指定されています。ブロックはこの形におさまるように置かなければなりません。
 全員、置けるブロックがなくなったらゲーム終了です。上から見て見えている色のプレイヤーは得点になります。ちょうど、「プエブロ」の酋長ルールの反対です。ですのでブロックは隠れるようにではなく、目立つように置くことになります。
 他プレイヤーのブロックを礎にしてその上に置いたり、上に置かれないよう意地悪な配置をしたりと、考えれば奥が深いのですが、ひとまずブロックスのようにわいわいと遊べます。
 周囲から中央に向かって高くなっていくピラミッドと、面積が狭く競争が激しい塔の2シナリオをプレイ。パズルものに強いかゆかゆさんが終盤の詰めで実力を発揮して1位でした。
シンプルだけど考えなければ勝てません。面白いです。
パズルが好きな人にはお勧めです。
 配置や得点のルールがシンプルだし、ブロックの形も素直。ですので、多く
のパズルゲームとは異なり、初プレイでもストレスをほとんど感じることなく
プレイできると思う。

ザロンバ(Zaromba / R.Knizia / Clementoni, 2002)

 動物たちをドワーフのお城まで連れていくスゴロクゲーム。クニツィアの子どもゲームです。森の途中にはザロンバという恐ろしいノームが待ち構えていて、つかまってしまうとフリダシに戻らなければなりません。
 手番にはダイスを2つ振ります。数字が出れば動物を進められますが、ダイスにはザロンバのマークが入っており、それが出るとザロンバが移動します。ザロンバは気まぐれで行ったかと思ったら戻ってきたりと、動物たちも気を抜けません。
 ザロンバをやり過ごして無事にお城に着いても、まだゴールではありません。止まったマスと同じ色のカギを見つけなければならないのです。裏返しになっている5枚のカギカードをめくって、同じ色ならゴールインです。カギカードは再び裏返しにしますが、その位置は変わりませんので、場所を記憶しておけば次の動物がゴールしやすくなるでしょう。最初に自分の色の動物を3匹全部ゴールさせたら勝ちです。
 5枚の場所を記憶するのは大人には造作もないことなので、毎回シャッフルすることにしましたが、その結果上がれない上がれない。ザロンバは暴れまくり、一時ゲームが終わらないのではないかとさえ思えました。全員が2匹までゴールさせ、3匹目もゴール寸前というデッドヒートでしたが、カワサキさんが勝利。対象年齢は6才以上となっていますが、ダイスの目の組み合わせさえ教えてあげれば、もっと小さい子供でも遊べそうです。大人だけで遊ぶならば、クニツィア・ジレンマを期待せずに童心に帰って遊ぶのが正解です。
子供向けということを差し引いても、ちょっとどうでしょう?
 子供向けゲーム。でも、サイコロの目のパターンとその効果を覚えないと遊
びにくいので、子供にもお勧めしにくい。どうしましょう?

アルハンブラ(Alhambra / D.Henn / Queen Games, 2003)

 4つの通貨を使ってアルハンブラの街づくりをするゲーム。2003年の年間ゲーム大賞最終ノミネート作品。昨年のアトランティックスターに続くディルク・ヘンとクイーンゲームズのリメイク作品で、元は「シュティムト・ゾー(Stimmtso!)」という株式を購入するゲームです。これに建設という要素を加え、悩ましさがアップしました。
 建設現場には4枚の建物タイルが出ています。手札からお金を払ってこれを購入し、自分のアルハンブラに配置していきます。ゲーム中に決算が3度あり、そのたびに各種類の建物について最も多く建設している人が勝利ポイントを獲得します。
 お金にはおなじみのドゥカートなど4つの通貨があり、建物タイルの購入では通貨が指定されます。ドゥカートのところにある建設タイルはドゥカートでしか購入できません。
 指定された通貨を出して購入したら自分のアルハンブラに配置しますが、配置にはルールがあります。各タイルには上下左右に壁が描かれているものがあり、これが外壁になっていきます。外壁は長くすればするほど点数になりますが、外壁の外側には建設できないため、街を外壁で固めてしまうと新しいタイルを置く場所がどんどんなくなっていきます。せっかく購入したタイルも、配置できなければ点数になりません。この建築制限が、アルハンブラのセールスポイントのようです。もし置く場所がなくなったら改築することもできますが、手番がかかるのでその前に長期的な視野に立った都市計画をしないと後悔します。
 購入はお釣りが出ませんが、手札からちょうどの金額を出すことができれば、追加でもう1手番できます。そのような訳で、どの通貨を出せるか、またちょうどで出せるか、どの建物タイルを購入したら勝利ポイントになるか、また購入したらどこに建てるか、あるいは購入をあきらめるかという点を全て踏まえて検討することになります。さらに、お金はオープンになっている場札から補充するので、ほかのプレイヤーの動向も察知しながら先手を取っていかなければなりません。長考になるほどでもありませんが、注意深く考えなければなりません。
 決算はお金カードの中から決算カードが出てきた時点で行います。このタイミングは突然です。購入をしぶってお金をためこんでいると得点になりません。1回目の決算では各建物1位の人だけ、2回目では2位まで、3回目は3位まで勝利ポイントがもらえ、またもらえる勝利ポイントも高くなっていきます。いずれも1位と2位、2位と3位の得点差が大きいので、僅差でも上位を狙うことが大事です。
 効率のよい外壁とバランスの取れた建物構成で白紙さんが1位。私は無節操に手を出しすぎて、ダントツビリでした。ゲームはソロプレイ色が強く、自分の手番になってから何を買うか考えるので、必然的に黙々と進行します。あまりに静かだったのでどうやったら盛り上がるか話し合ったりしました。
株券が建物に変わって、新たに建て方の要素が増えました。株だと必要なくて
もとりあえず押さえておこうと思いますが、建物ではそれが無くなり、その分建物
のマネジメントが必要です。

ちょうどのお金があればもう1手番あるので高額のお金の方が常に有利とは限
らないとか、点数計算が3回行われるので早いうちから積極的に建てた方が良
いが外壁のために終盤は建てにくくなったりするジレンマなど、基本がしっかり
出来ているように感じました。
また購入する建物タイルがランダムで出て来るので運の要素も適度にあるし、他者への妨害
がほとんどないのでのびのびとマイアルハンブラを作ることができるのが良い点なのかも知れ
ません(ゲーマーにはそれ故に物足りなさを感じたり、多人数ソロプレイみたいな印象を得るの
かも知れません)。

バーンレイト(Burn Rate / Unknown / Cool Studio, 2002)

右肩下がりのIT企業を1日でも長く延命させるカードゲーム。アメリカのマイナーなメーカーから出されたものですが、ゲームギャラリーのレポートやカワサキさんの宣伝で国内の認知度が上がったようです。
 会社には営業・開発・人事・経理の4部署があり、それぞれの人材を雇っていきます。優秀な人材を雇えればアドバンテージがありますが、その分給料も高くつくので経営手腕が問われます。
 世はIT不況の嵐。儲かる仕事は1つもありません。この設定が見事です。仕事をできるだけ減らして人件費を下げ、ほかの企業より先に倒産しないことだけがこのゲームの目的です。この後ろ向きな感じがたまりません。ドイツにはない発想でしょう。
 まず営業部。優秀な営業マンがいると、くだらない仕事を拒否できます。1人もいないと次から次へと仕事が舞い込み、たいへんなことになります。
 請け負ってしまった仕事は開発部。ここには仕事をキャンセルできるマネージャーと、黙々と仕事に取り掛かるエンジニアがいます。エンジニアでまかないきれなければ、派遣社員を雇わなければいけません。派遣社員の給料はべらぼうに高いので、雇うと会社の体力はどんどん奪われてしまいます。
 人事部にいい人材がいると、ほしい人材を他社から引き抜いたり、役立たずの人材を他社に雇わせたりできます。ここが手薄ならば会社は役に立たない人材で膨れ上がることでしょう。
 最後に経理部。優秀な経理はどこからか資金を調達してきてくれます。これでほんのちょっぴり、会社の寿命が延びます。経理がいなければ、資本はまっさかさまに下降するのみです。
 ゲームは他社を攻撃しまくるという形で進みます。条件さえ満たせば誰でも好きなように攻撃できるのは、アメリカゲームの特徴と言えるでしょう。その際各部署の人材は、攻撃力であり防御力であるわけです。どの会社にも弱点はあります。そこをうまく突いて、ダメージを与えるという展開になります。
 カワサキさんが用意した折れ線グラフシートで途中経過がわかりやすくなりました。誰を攻撃したらよいかが一目でわかります。こうして組みつほぐれつ、みんなが下降線をたどっていきます。まずはマネージャーを欠いた白紙さんの会社が仕事を大量に抱え込み、倒産。ついで巨象のように肥大化したかゆかゆさんの会社が倒産。最後はカワサキさんと私の一騎打ちとなりましたが、私が念願の経理をパワーアップして一気に資金調達することに成功し、勝利をおさめました。
 みんなの会社が瀕死状態になった終盤の展開はハラハラドキドキ、とてもしびれます。終わってからもしばらく、興奮による手の震えが止まりません。業界関係者にはやけにリアルで笑えないものがあると聞いていましたが、会社に疎い私でも楽しむことができました。
IT業界の人間ではないので、身につまされることは少なかったです(笑)。
しかし使えない部長というものは(以下消去)。
ここで一句「外注が 害虫となる わが会社」。おそまつ。

 ゲームのテーマ(雰囲気)を楽しむゲーム。といっても、テーマだけでなく、
きちんとゲームとして楽しめるのが良い所である。直接他者を攻撃するゲーム
だが、雰囲気を楽しめれば殺伐とはしないで楽しめるのではないかな。

ブル&ベア(Bull & Bear(Prototype) / Kawasaki / Kawasaki Factory, 2003)

トリックテイキングと株の売買を組み合わせた新しいカードゲーム。カワサキファクトリーの試作品で、テストプレイしました。
 はじめに手札から売買する株を指定したら、残りの手札でトリックテイキングをします。勝ったカードによって、株価が変動します。低い数字ほど上がり、高い数字ほど下がるというしくみです。
 トリックテイキングが終わったら、指定していた株を時価で売買します。買う時はできるだけ安く、売るときはできるだけ高くなれば嬉しいのですが、ほかのプレイヤーの思惑もあり、自分の手札で株価を完全にコントロールすることはできません。買おうとしていた株が思わず高騰したり、売ろうとしていた株が大幅下落したりして、大損することも少なくありません。
 4ラウンド終了後に株を全部換金して、一番お金を持っているプレイヤーが勝利です。後に売却しかない最終ラウンドは、自分が持っている株を少しでも値上げしようという目論見になります。
 手札の状況によって、株価を少しだけコントロールできるというところがゲームの面白さです。予想通りに株価が変われば大儲け、外れれば大損というギャンブル要素も楽しいです。お金の計算がちょっとしんどいという話がありましたが、これからまたテストプレイを重ねて改良していくそうです。完成品が楽しみです。
カワサキさんの創作ゲーム。よくできています。今回は株価が下がり気味で
した。なかなか自分の思うようには株価が動いてくれませんね。
 株価を操作しやすいカードを持っていれば良いが、持っていない場合はどう
売買して良いのか分からない気がする。つかみ所が分かりにくいかな。テスト
プレイなので、まだ面白くなると思う。

バルーンカップ(Ballon Cup / S.Glenn / Kosmos, 2003)

 カードを使った2人専用の気球レース。今年の年間ゲーム大賞ノミネート作品です。
 コースは4つあり、中央にキューブが置かれています。キューブの色のカードを出し合い、高原レースなら合計数の多い方、平地レースなら合計数の少ない方がキューブを獲得します。1レース終わると、新たにキューブを補充し、高原は平地に、平地は高原に変えて次のレースになります。
 特色としては、相手の側にもカードを出せるというルールがあります。自分の側に強いカードを出すだけでなく、相手の側に弱いカードを出すことによって勝てることがあります。どのコースにカードを置くか、また自分の側に置くか相手の側に置くか、的確な判断が勝敗を分けます。
 キューブを集めるとその色のトロフィーがもらえ、先に3色のトロフィーを取った方が勝ちです。
 カードの引きに大きく左右されそうな気もしましたが、どんなカードでも出しようがあり、シンプルながらよくできたゲームになっています。コスモスの2人ゲームシリーズでは、難易度は相当低い部類に入るでしょう。妻とやってトロフィーを4つも取られてしまいボロ負け。

 白紙さんのコメントです。 かゆかゆさんのコメントです。

カワサキさんの日記

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