土浦のKさん宅でゲーム会。Kさんのお友達とかゆかゆさんとで合計7名。珍しいゲームを中心にまる半日遊びました。
ウィルス一味
ウィルス一味(Virus & Co. / F.Stark & J.Spiegelhalter / Zoch, 2002)
自分の番には、山札からウィルスカードを取って他人に押し付けます。押し付けられた人は、錠剤を1つ出して次の人に押し付けます。次の人は2つ、その次の人は3つ…と、回れば回るほどたくさんの錠剤が必要になってきます。錠剤が出せなくなった、あるいはもう出したくないという人はウィルスに感染します。感染した人は錠剤を出さず、感染を回避した人たちは出していた錠剤を捨てます。
ウィルスには病気ポイントがあり、13ポイントを超えるとICU行きになってしまいます。でもウィルスを回避できる錠剤も数に限りがあります。山札のウィルスカードを他人に押し付けず、自ら感染させると「お見舞い」として錠剤がもらえます。錠剤が少なくなると足元を見られるので、場合によっては補充することも必要です。
さて、ウィルスカードの中には注射があります。これを自分のウィルスにやると、1本目なら病気ポイントを半減、2本目なら滅菌できるのですが、3本うつと打ちすぎでこれまたICU行きなのです。ウィルスをもっていないときに注射をしても無駄に1本増えるだけなので、いつでもほしいというわけではありません。これも順番に押し付けあっていきます。
そして予め配られたリスクカード。これは病気ポイントが4ポイント以上になると発動します。これも押し付けあうのですが、誰かが受け取るまで中身は伏せられています。しかも中身は得するものが半分、存するものが半分という粋な構成。もらうべきか、もらわざるべきか。リスクカードを押し付けるためには、もとの持ち主に錠剤を払うので、損するカードだという雰囲気になるともとの持ち主には錠剤がどんどん入ってきます。開けるまで中身はわからないわけですから、ブラフをかまして大儲けしたいものです。
リスクカードの中には、もらったプレイヤーを「名前に先生付け+ですます体」で呼ばなければならない」というカード「ドクター先生」があり、コミュニケーションゲームの要素もちょっぴりあります。手番プレイヤーが最初「紹介状」カードを取らないと錠剤1つ支払うというルールもあります。
ICU行きが1人出るとラウンド終了、得点計算で、[手持ちの錠剤-病気ポイント]が得点になります。3ラウンド行って最多得点が勝ちです。
とにかく盛り上がりました。ウィルスがどんどんたまっていくネガティブなゲームなんですが、それゆえにキャーキャー騒げます。1ラウンド目は序盤弱いウィルスで徐々に体力が奪われてきたところに、突然強いウィルスがどんどん出てきてたまらずIさんがICU行き。2ラウンド目はMさんが「ドクター先生」+「診断(ICUに行く人を予め予想する)」で大儲けし、3ラウンド目はかゆかゆさんが序盤で注射されまくってICU行き。結果は2ラウンド目の大儲けでMさんの勝利でした。
ミニフルーツ(Früchtchen ! / V.Herman / Fanfor, 1998)
最初は手札から同じ種類のフルーツカードを何枚でも出して、それとナンバーカードを出して全員同時にオープンします。フルーツは6種類で、それぞれダイスの目に対応しています。その目が出れば収穫できるというわけです。また枚数は多いほどダイスを振れる回数が増え、また収穫できたときの収入も増えます。
次にスタートプレイヤーから順番に、ナンバーカードに書かれた分だけ、自分のダイスをほかのプレイヤーの畑に「出稼ぎ」に出します。自分のダイスは9つあります。
そうしたら収穫チャレンジが始まります。自分のところにあるダイス(ほかのプレイヤーの出稼ぎ分も含む)を全部振って、フルーツカードと同じ目が出れば収穫成功です。カードの枚数分だけ振って、カードの枚数分だけ目が出れば収穫できます。
収穫ができれば収入が入ります。収入はフルーツ1つ目が1ユーロ、2つ目が2ユーロ、3つ目が3ユーロと、どんどん高くなります。ところがここでひとつひねりがあります。ほかのプレイヤーから出稼ぎに来ているダイスで目を出したら、そのダイスから、高い収入を割り振らなければいけないのです。3つ収穫できて、自分のダイスが2つ、出稼ぎのダイスが1つならば、3ユーロは出稼ぎを出したプレイヤーに入ってしまい、自分の取り分は1+2で3ユーロ。やるせないものがありますが、自分のダイスもほかの畑に出かけているわけですからお互い様です。
ほかの畑で収穫ができたらダイスは返ってきます。しかしいつまでも目が出せないとその畑に留まってしまい、自分の畑が手薄になってしまいます。そこにほかのプレイヤーが出稼ぎを出してきた日には、目も当てられません。その辺りを、最初の手札を何枚出すか、ナンバーカードは何を出すかで調整することになります。
最初はYさんが自分の畑でほかのダイスを拉致しつつ、自分のダイスだけでどんどん儲けるという不条理な展開だったのですが、後半みんなが追いついてきて息もつかせぬ展開に。最終ラウンドでYさんと私の同点勝利に終わりました。かゆかゆさんのダイスはちゃんと働いてくれませんでした。確率計算もありますが、たくさん振ってもまったく出ないことが多々あり、要は気合かもしれません。ルール設定の75ユーロは時間がかかりすぎるので、50ユーロにしました。
オハイオ(Ohio / R.Knizia / Jumbo, 1998)
全員には1~10のカードと、オハイオカードがはじめに配られます。スタートプレイヤーから順々に出しますが、前の人よりも低いカードを出さなければなりません。オハイオカードは、どのカードよりも小さいカードですが、例えば10の後にオハイオカードがでたら、その次のプレイヤーは9を出せます。
出せない、または出したくないときにはパスをして、全員がパスするまで何周でも回ります。全員がパスをしたら最後に出した人がトリックを取ります。これを繰り返し誰かの手札がなくなった回で終了。取ったトリックはプラス、手札のカードはマイナス、オハイオカードは-10点で計算します。
超シンプルなゲームですが、高いカードを出すタイミングの悩みどころがクニツィアテイストなのかもしれません。カードには合衆国の州が色で塗られています。アメリカが好きならば、この色分けも楽しいのでしょう。入手難ですので、トランプで代用して遊んでみてはいかがでしょうか。
アップルズ・トゥ・アップルズ・ジュニア(Apples to Apples Junior / M.Kirby& M-A. Osterhaus / Out of the Box 2000)
ゲームのコツは、何周かする間にそれぞれのプレイヤーの選択基準を見極めるところにあります。常識的なところが好きな人、ぶっとんだのが好きな人、詩的なのが好きな人…。そういう点からも良質のコミュニケーションゲームだといえるでしょう。