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ハイク(Hyke)

和風ディクシット
『スタンプス』『アダムとイブ』と話題作を制作しているドロッセルマイヤーズ(東京・中野)が今年のゲームマーケットから発売した多人数コミュニケーションゲーム。五七五の句でお題を当てるという、国産ならではのゲーム内容となっている。
Hyke
はじめに配られるのがお題用紙数枚。ここに好きなお題と名前を書き、折り曲げて箱に入れる。混ぜてから引き、そのお題で一句。「このメンツ ぼくもあなたも 伊達じゃない」(くさのまさん・答え:メガネ(ドラッグすると見られます))
ほかの人も同時進行で句を作っているが、誰かが「ハイク!」といって手をあげたら一旦中断して句を詠み、お題を当てる。順番は関係なく、思いついた順。お題はいったい何だろう?と頭をひねる。
いきなり1人目が当てると、当てた人に1点。句を作った人は0点。2人目が当てると、当てた人・句を作った人・お題を作った人みんなに2点。3人目も以下同様。一番いいのは最後の人が当てた場合で、8人で遊んでいれば8点にもなる。したがって、あからさまな句でも、意味不明な句でもいけない。メンバーを見て、どこまでぼかすか考えるのは句心を大いに刺激される。
当て終わったらまたそれぞれの句を読む。句を発表した人も、次のお題カードを引いてまた読む。どんどん作って、どんどん詠もう。
お題カードがなくなったらゲーム終了。最後に完成した句を並べて、気に入った句に投票する。これも得点になり、合計得点の多い人が勝ち。
学生の頃、メモ用紙を折り曲げながら、一つ前の上の句だけを見て下の句をつなげていくというゲームを飲み会で遊んだことがあった。この経験が生きたのかすらすらと句が出てくる。大事なのは、形式とか季語とか考えないこと。それでもなかなか句ができなくてお地蔵さんになってしまう人もいた(自分で作れなくても、当てまくれば勝つチャンスはある)。
「あたたかい あなたのムラに いまもなお」(答え:原子力)は残念ながら当ててもらえなかったが、「五月晴れ 憎い涙の 業平橋」(答え:東京タワー)を当ててもらえたのが気持ちいい。大量得点もできて1位。djさんが詠んだ「あいうおお テルマオロマオ サザオさん」(答え:笑顔)が笑いのツボに入って、その後の仕事中に吹き出しそうになったのは内緒である。
Hyke
渡辺範明/ドロッセルマイヤーズ(2012年)
4〜8人用/8歳以上/20〜30分
ドロッセルマイヤーズ:Hyke

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みんなのイ〜ブン(”Even” by Everyone)

本音と建前を使い分けて
『ストリームス』などシンプルながらヒネリのきいた作品を制作しているサイ企画が今年のゲームマーケットで発表した作品。作者によれば『プライバシー』などの投票ゲームをもっと手軽に遊べるようにしたという。多人数ゲームは今年、あまり発表されなかったので貴重である。
お題に対して、イエスかノーか、イーブンを出す。イエスかノーは多数派ならポイントになるが、イエスとノーが同数だった場合、イーブンにポイントが入る。山札がなくなったらポイントの多い人が勝ち。ルールはこれだけである。イーブンを出す人が複数いるため、プレイ人数は奇数でなくてもかまわない。

「1年に3回以上、映画館に行く」……多数派に入って得点を取るには、自分の答えを正直に答えるだけではいけない。全員の顔を見て、このメンバーならイエスだろう、ノーだろうと予想しなければならない。しかしそれが難しい。「豚骨ラーメンより味噌ラーメンが好き」とか、知るかっつーの。
ゲームマーケットで販売していた「大人用追加カード」も使用。『プライバシー』ほど尖った質問ではないので、女性も混じっていたがセクハラにはならなかった。「異性の心を盗んだことがある」とか、男性はなかなかイエスといえない。
「人の心は3億円で買える」という質問に、「私だったら100万くらいでOKです」とdjさん。ノーと答えたのは私だけだった。皆が本音で答えてきているので、建前ではいけなかった模様。「美人はたいてい心もキレイ」はほとんど満場一致でノーが出た。
イーブンは滅多に当たらない分、当たるととても気持ちいい。自分の予想を覆して全員が逆の答えを出してきたり、少数派の答えからその人の性格が垣間見えたりして楽しかった。
みんなのイ〜ブン
居椿善久/サイ企画(2012年)
3〜10人用/8歳以上/15分
すごろくや:みんなのイ〜ブン