シュピール’25:新作プレビュー
シュピール開催前日に恒例で行われる新作プレビュー。今年も8番ホールをまるまると使い、メルツ社によると921タイトルの新作が展示されているという。全部を回って気になったものを写真を撮ったり、シュピールのアプリに入力したりして、気が付けば3時間も経っていた。
今年のシュピール会場は前回使っていなかった7番ホールを開放し、前年比+13%の77500㎡という広さになった。幕張メッセで行われているゲームマーケット会場の3倍にあたる。50か国から948団体が出展し、発表される新作は1719タイトルに及ぶ。来場者は過去最高の22万人を見込み、すでに金曜日と土曜日は入場券が売り切れになっている。ちなみに来年のシュピール’26は今年とほぼ同じ10月22~25日という日程が発表された。

フリーゼは今年、シュピール公式ゲーム『メッセはもう結構(Fair Enough)』をスケリッヒゲームズから発表したほか、自身の2Fシュピーレからもアイテムを交換して手札をなくすゲーム『フォーミダブル・ファーム(Formidable Farm)』とプラスマイナスの帳尻を合わせるトリックテイキング『フィアレス(Fearless)』を発表する。
ブラント夫妻の作品はあちこちで見られたが、獲得トリック数を予想する『ゴーストカート(Ghost Cart)』がディーププリントゲームズから発売される。
『ウイングスパン』のハーグレイヴはアバロンヒルから『サニベル島(Sanibel)』をリリース。生態系の保護を目指すタイル配置ゲームである。
クニツィア作品も非常に多かったが、ドイツ年間ゲーム大賞2011受賞作『クワークル』をアレンジした『クワークル・フレックス(Qwerkle Flex)』にクレジット(クニツィア氏は近くにいたが写真はケニツィア氏)。
以下、気になった作品を簡単に紹介しよう。なお日本からの出展社、日本テーマのボードゲーム、クニツィア作品は別立てして後日レポートする。
協力ミステリーゲーム『エリザベスの憂鬱』11月22日発売
卓上探偵団シリーズ第14弾。作者の河端ジュン一氏が手掛けた作品は本シリーズ中、半分に上る。全員で1つのチーム(探偵団)となり、地図を探索し聞き込みを行い、事件の真相を探る。マーダーミステリーとは違ってプレイヤーの中に犯人はおらず、プレイヤー同士で争う要素もない。推理と謎解きに特化した協力ゲームで、探偵映画のような2時間を過ごすことができる。
1588年、英国。名君と誉れ高いエリザベスⅠ世の治世。王宮での舞踏会の直後、女王の遺体が私室で発見された。胸には刃物で刺されたような傷が。疑いの目を向けられたのは、王位継承権をめぐり日々話題となっていた貴賓たち。だが本当に彼らなのか? 罪を擦り付け、背後で国政を操ろうとする廷臣たちの策謀では? あるいは国の転覆を目論む宗教勢力や知識階級の可能性は? 会場は封鎖され、事態の収拾は、非常時に招集される王室相談役 「卓上探偵団」に一任された。
ゲーム中に「密書」と呼ばれるカードを受け取り、どれを開けるかを選択する。選択によっては歴史に干渉してしまうかもしれない。