自己中心派
各プレイヤーは1~3番のギャンブラーの中から2枚を選び、自分の前にオープンしてスタート。この番号は当選番号で、その数字が出たときに配当金(チップ)が入る。
この当選番号だが、ギャンブルといっても運の要素がなく、全てプレイヤーの選択で決まる。各プレイヤーははじめ「0」か「1」の数字をもっており、手番プレイヤーがどちらかを表にして出した後、それを見てほかのプレイヤーもどちらかを裏にして出す。一斉にオープンして、その合計が当選番号となる。
3番のギャンブラーをもっている人は「1」を出してくるだろうし、1番のギャンブラーをもっている人は「0」を出してくる可能性が高い。どのギャンブラーをもっているかによって、どの数字を選ぶか予想がつくため、読み合いが熱い。当然、裏をかくのも出てくるし、裏をかかれるのを前提にしてくることもある。カードをオープンしたときは「やっぱりね~」「うそだろ~」と悲喜こもごも。
手番プレイヤーは、1金を支払えば、全員がオープンする前に「+1」か「-1」カードを出して合計数を変更できる。裏目に出ることもあるけれども、この切り札があることが読み合いをさらに難しく、そして面白くしている。「ふっ、+1を出してくると思ったよ」
配当が終わった後、手番プレイヤーは新たなギャンブラーを雇うか、すでにいるギャンブラーを裏返すことができる。裏返せば配当が増えるが当選番号は増えない。新たに雇えばお金が減るが、当選番号が増える上に、「2」や「3」のカードが手に入る。これによって当選番号を釣り上げて、自分だけの配当を目指そう。
全員が外れると、所持金の一番多いプレイヤーが半分に減らされ、やがて全員に分配される。このルールも効いていて、トップを走るプレイヤーが独走しにくいようになっている。序盤はトップを取らないほうがよいという「しゃがみプレイ」も必要だ。
ゲームは誰かが4番か8番のギャンブラーを当選させるか、15金以上になったら終了で、前者は4番のギャンブラーをもっているプレイヤーが所持金に関係なく勝つ。誰かが4番のギャンブラーを取ると、ゲームはいつ終わってもおかしくない状況となり、緊張感が更に増すようになっている。
4人プレイで10分。外れることがなく順調に当選者が出て、1~3番を通しで揃えた私がわずか2周目で15金を達成。もう少し続けてみたところ、tomokさんが4番のギャンブラーを当選させて勝利。すがすがしいほど早い展開だったが、4番を当てさせないように数字の大きいカードを出し始めると相場が5~7ぐらいになり、ゲームが延長戦に入るのだろう。
自己中心の数字選択では決して勝てない。ミニマルな仕掛けで熱い読み合いを生み出す楽しいゲームである。
ギャンブラー×ギャンブル!
宮野華也/cosaic(2016年)
3~4人用/10歳以上/15~30分