『ナムカラタンノーの世界―『千手経』と「大悲呪」の研究』

禅宗では般若心経よりも頻繁に読んでいるのではないかという陀羅尼、大悲呪(だいひしゅ)。なぜ禅宗なのに真言?意味は?効能は?という疑問に答える書。 効能は地獄に落ちないで浄土に往生できること、悪い死に方をしないこと、現世の …

『せとぎわの仏教―僧侶と寺院の未来』

仏教ブームだなどというけれども、寺院のもつ危機感は近年増している。過疎化と個人主義化による檀家制度の変容、お寺を中心としてきた地域コミュニティの崩壊、葬儀社主体の葬儀、無宗教を標榜する世代の成長……世の中の動きに無自覚な …

『ブッダが考えたこと―これが最初の仏教だ』

宇井伯寿、玉城康四郎、平川彰、和辻哲郎……日本を代表する仏教学者をロゴスの剣でバサバサ切っていく怪著。 「ブッダは輪廻を否定した」「形而上学的な問題には不可知論をとった」「苦行を否定した」「自己を否定した」「十二因縁は後 …

『ブッダ論理学五つの難問』

実に考え抜かれた本だった。 西洋論理学は時間を対象にすることができない。「クジラならば哺乳類である」の対偶「哺乳類でなければクジラでない」は正しいが、「家事をしなければ妻がうるさい」の対偶「妻がうるさくなければ家事をする …