置賜地区ファシリテーターとして参加した山形県こども会議が終了。こども基本法をもとに、当事者の意見を政策に反映するということで、事前勉強会で少子化や女性の県外流出過多などの課題を伝えて、小学生から高校生までがそれぞれの意見を述べた。
高校の同窓会役員会で2035年、米沢興譲館と米沢東が合併(初耳)するのに合わせて、置賜の中高一貫校取得と「市内」移転を果たしたいという話を聞いた。そこで調べたところ、その頃には高校生の数が置賜地区で現在の6割(5200人→2900人)になる。少子化はものすごいスピードで進行しており、おそらくどうやっても止めることはできないだろう。さらに人口減少に追い打ちをかける女性の県外流出については、クローズアップ現代で山形出身の女性が「東京が令和なら地方は江戸時代」と言ったことがすべてを物語っている。性別役割分担意識は、職場・学校・家庭・地域すべてに染み渡っていて一朝一夕に変わらない。
子どもたちの意見で地域・年令を問わず一番多かったのが「居場所づくり」の要望。家庭と学校(職場)以外のサードプレイスは、不登校支援の文脈で語られることが多いが、すべての人に提供されることが住みよさにつながる。友達の家、図書館、公民館のラウンジなど、親とも先生とも離れて人間関係を相対化できるワンクッション。県市町村はこれをどんなかたちで実現できるだろうか。
「山形がこれからもずっと住み続けたいところになるには」というテーマがあった。若年女性の県外流出過多から来ているようだが、転勤族、二拠点生活、短期滞在、U・Iターン組、その他関係人口など、住み続けない人のことを考えると、この問題の立て方自体、インクルーシブではない。「誰にとっても居心地が良く、自分らしくいられるところになるには」という方向で考えたほうが良さそう(長井市の総合計画も当初「ずっと住み続けたい」だったのが「みんながしあわせに暮らせる」に変更)。
この会議の前に、県男女共同参画センターの「ダイバーシティ経営」という講義を受けた。産業構造などどうしようもないところもあるが、自分らしくいられる場所にするにはまず、「地方は江戸時代」とも言われる性別役割分担意識や、結婚や子どもを持つことへの過剰な期待をなくすところからかなと思う。