仙台市のゲームサークル、遊友会に車で参加。山形の自宅からは115km、2時間を要する。今回は早く帰らなければいけなかったため、滞在時間よりも移動時間が長いという事態になった。ドライブがてらならば道中も楽しいが、行きはゲームしたい一心で、帰りは時間まで帰りたい一心で急ぐのは精神衛生上よろしくない。事故らないで本当によかった(そもそも運転が好きではないという話も)。
山形の自宅の最寄のサークルは、ブラット(鶴岡)、遊友会(仙台)、その次が福島ボードゲームズ(郡山)で、いずれも100kmを超え、山をいくつも越えていかなくてはならない。せめて50km圏内に1つあったらいいなと思う次第であった。
ドミニオン(Dominion / D.ヴァッカリーノ / ハンス・イム・グリュック, 2008)
まもなく日本語版も発売される人気カードゲームの『ドミニオン』に、ボーナスカードの「公使」を加えてプレイ。
公使の効果は、山札から5枚引き、1枚を左隣の人が捨て札にして、残り4枚を手札に入れるというものである。これ自体では追加アクションがないから、基本的に手札に入れる4枚はお金であることが望ましい。したがって、公使を入れるならば、ほかのアクションカードは控えめにして、お金カードを買っていくことになる。
今回は攻撃できるスパイと民兵と魔女が全部出ているという構成。そのため防御カードは早々と売り切れた。公使を買い込んだ2人で明暗が分かれる。片やお金カードを増やして、6点カードにすぐ手が届くが、片やアクションカードが邪魔になって、公使の効果が生きない。私は公使なしで対抗したが全く及ばず。アクションカードを絞ってデッキ構築することの大切さを、いつもながら痛感(でもまたいろいろ試したくて買ってしまうのであるが)。
ところでプレイヤーのインタラクションがないと思っていたこのゲームだが、攻撃・防御カードはもちろん、お金を取るか得点を取るかのタイミングも、ほかのプレイヤーの動向に大きく左右される。今回は終盤に1点のカードも買われるようになり、その結果お金が薄くなって、残り少なかった6点のカードが買えなくなってしまった。そうなると1点のカードをあえて買わずにお金を買っていた人が有利になる。このあたりの見極めは自分のデッキの都合だけでは到底いかない。奥の深いゲームである。
落穂の問題(Eine Frage der Ähre / J.アラース / ペガサスシュピーレ, 2009)
畑を広げて得点を増やすタイル配置ゲーム。タイルが立体に重なっていくさまは壮観だが、『ジャワ』や『タルバ』のように脳みそがヒートアップするようなパズルではなく、みんなで広くした畑をいつ独占できるかという、タイミングの駆け引きを楽しむゲームである。
手番には2つの作物が描かれた長方形のタイルを畑に置く。そして作物ごとに得点にするか、農場ポイントにするかを選ぶ。得点にするならば広さの分だけ得点。農場ポイントは、全種類で一定以上になると農場を立てて畑を独占できる。当座の得点を積み重ねるか、後からの高得点を狙うかの選択が悩ましい。
農場はひとつの作物の畑の上に置いて、広さの分だけ毎手番得点が入る。ところが、農場を置くときには広い畑がないかもしれないし、みんながタイルを置いてつぶしてくるかもしれない。安定収入は約束されていないのである。
ほかに、農場ポイントをマックスにすると家畜チップがもらえる。これは早い者勝ちでゲーム終了時に得点。農場を畑に置くために全種類を満遍なく上げていくか、家畜チップを狙って数種類に絞るかという選択が、盤面の畑の状況とあいまってまた悩ましい。
序盤は麦畑がどんどん広がっていった。前の人が広げた麦畑につなげれば、『頭脳絶好調』方式で得点がどんどん増えていくからである。これでダブル麦畑のタイルを置いた神尾さんが大きくリード。その裏でコツコツと農場ポイントを貯めたぽちょむきんすたーさんと私は、その大きな麦畑を分け合って農場を作った。ここから明暗が分かれる。私の麦畑は数ラウンドつぶされず、また私も拡張したのでどんどん得点が入ってきてウハウハ。一方のぽちょむきんすたーさんの麦畑はみるみる縮小し、消滅しそうになっていた。私が神尾さんを抜いてトップに出ると、私の麦畑も縮小したが、その頃、もう1軒の農場をトウモロコシ畑を置いて延命。家畜チップもそこそこ集めて1位。ダントツに見えたが僅差であった。
ゲームがシンプルな分、駆け引きによってドラマが起こるようになっている。要素をめいっぱい詰め込んだ近年のゲームとはまた違う魅力があった。