ドイツアマゾンで共同輸入したゲームの受け渡しを兼ねてゲーム会。karokuさん、ふうかさん、米出さんにお越しいただいてのんびり。ゲームは大人向けと子ども向けを交互に入れてみたが、これがいい気分転換になってどちらも楽しめた。
ピザ・フリッツァー
ピザ・フリッツァー(Pizza-Flitzer / G.マクレオド / コスモス, 2005)
磁石のS極とN極を覚えてピザを3つ集める子どもゲーム。日本未発売だがドイツアマゾンで入手できる。
まず中央のルーレットを回して行動を決める。黄緑ならパウル君が出動、オレンジならパウラさんが出動。ボード上に環状に並んでいるピザの上に乗せて、極が合っていればゲットできる。黄緑とオレンジの縞模様ならどちらが出動してもよい。
あとの2つが曲者である。紫(手のマーク)はパウル君かパウラさんを出動して、ほかの人が取ったピザを横取りできるチャンス。青(犬のマーク)は自分が取ったピザの上にパウル君かパウラさんを置いて、極が合うと場に返さなくてはならない。つまり中央にあるピザだけでなく、すでに取られたピザまで覚えていなければならないというわけ。これはムズカシイ!
記憶ゲームの常として前の人が失敗したものをごっつぁんで頂くという展開。でも自分のピザが意外な盲点である。犬にまんまと持っていかれたピザをゲットして私の勝利。極が合わなかったときのパウル君たちの手ごたえが残念な感じを見事に表している。
ボードやルーレットの矢印も含めて総木製という豪華コンポーネント。取ったピザの置き場(これが規則的に並んでいるのでややこしさが増す)まである芸の細かさ。失敗をクスクス笑いながら盛り上がった。
コンテナ(Container / F.B.デロンシュ / ヴァレーゲームズ, 2007)
話題作ぞろいだった昨年のエッセンの新作で、一二を争う作品。ゲーム内容はこちら。
荷物を自分で買い取ると場に資金が回らなくなるので苦しい展開になる。今回はそれで米出さんが中盤から思い切った借金。「大丈夫なんですか?」と心配になる。借金しただけ自分のコンテナは山ほどあったので、このままゲームが終われば借金を帳消しにする儲けが出るだろうという読みはあった。でもゲームはまだまだ続く。借金をしていると手番が来るたびに利子を払わなければならないのだ。そして現金があれば設備投資や仕入れに使ってしまうので返せる見込みもなし。しまいには借金を返すために借金するという多重債務者となってしまっていた。怖いゲームだ。
一方karokuさんと私は適度にお金を回しながら薄利多売でやりくりする。でも私は途中から資金が急激に欠乏し身動きが取れなくなる。どうしても借金したくなるが、隣で首が回らなくなった人がいるので何もしないほうがという選択に。
karokuさんは順調だったが設備投資にお金をかけすぎたようだ。1位だったのはその陰でものすごい貯金を溜め込んだふうかさん。コンテナで島に運んではほかの人に売っていたのである。こういう勝ち方もあるものかとこのゲームの奥深さに感心。
クライムイット(Claim it! / K.グールド / ワッツァルポーグ, 2006)
ゴールドラッシュをテーマにしたバースト系ダイスゲーム。3つのダイスを振ってコマを置き陣取りをする。置けるコマがないとバーストでその回に取った土地は全部パー。どこで止めるか、止められるかの勝負である。
3つのダイスの使い方が面白い。3つのうち好きな2つを選んで座標を決め、もう1つのダイスで置くコマを決める。例えば3,5,5と出れば3-5か5-3に5のコマを置くか、5-5に3のコマを置く。ここで3も5もコマを置いてしまっている場合はバーストということになる。陣取りは自分の色がつながっているほど有利だから、振ってからあれこれと考える。
各マスは一度出ただけでは確定しない。そのままにしておくとほかの人に奪われる可能性がある。そこで同じマスをもう1回出して確保(これがタイトルの「クライム」)する必要がある。確保されたマスが増えれば、コマがあってももう置けないからバーストする可能性が上がる。
序盤に米出さんが6の列をずらりと揃え、これを皆が奪うという展開になる。その隣で攻防を制した私が勝利。自分の色が広がっていればいるほど確保しやすくなるのがアメリカンだが、バーストを恐れず振り続ければ逆転の目が必ずあるはずであきらめてはいけない。
かくれんぼオバケ(Gespenstisch! / M.シャハト / ハバ, 2006)
おびき寄せられて
心の読みあいがとってもエキサイティングなゲーム。今回はふうかさんがこれでもかというくらい鬼の出る場所に行き続けて瞬殺。運も悪かったと思うが、まるで鬼におびき寄せられているようでおかしかった。
心の読みあいという点では、参加者の性格を知っておくことが面白さのポイントである。裏をかく/正攻法で行く、内輪を狙う/狙わない、好きな色、好きな部屋、そういったものを深読みするくらい読むと、たとえ外れても盛り上がるだろう。初対面でも楽しいが、顔見知りでぜひ試してもらいたい。
アグリコラ(Agricola / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ, 2007)
ボードゲームギークの順位が徐々に上がって5位にまでなった『アグリコラ』。すっかりファンの米出さんは家族コマに1枚1枚シールを貼っていた。「子孫のマスにお父さんが行ったけど、その子どもはどこかから拾ってきたんですか?」などとゲームがさらに盛り上がる。
今回は「小麦を取るたび野菜」という職業で種を増やし畑プレイ。増やした野菜をかまどで焼いて食料を確保する。牧場は最小限で、「厩に家畜を3匹まで置く」という職業で置き場を作った。その分レンガや石を取る余裕がなかったが、反対にカードに恵まれず建築に走った米出さんと同点タイ。karokuさんが食料の計算を間違えて物乞いを取ってしまったり、ふうかさんが強いカードを使いこなせなかったりと経験の差が出た。ここ2戦の感想は、「負けるのはいいカードが来ないせいではない」ということだ。ほかの人とかぶらない路線を敷くこと、大きな進歩を早い時期に取ること、使いにくいカードが使える条件を努力して作ること。この3つを意識すればどんなカードでも十分に勝ち目があるだろう。
にわとり小屋騒動(Zoff im Hühnerhof / M.トイブナー / ハバ, 2006)
エサを集めて早く小屋に戻るゲーム。ふたを開けたらもう小屋までセットされているという作りこまれたコンポーネントだが、面白いのはそれだけではない。子どもゲームらしいシンプルな作りの中に、うまいひねりをきかせている。
自分の番にはエサを専用の台でボード上に投げ入れて、入ったマスの花の数だけ自分のニワトリを進める。移動先にエサがあればゲット。大人なら当然、自分のニワトリの行く手にエサを投げ入れるだろう。
でもカラスの羽のマスに入るたびカラスが進み、キツネが出たら一目散に帰宅開始。帰りはエサを取ることができないので、手数が増えるほどエサが減ってしまう。花の数が多いマスを狙ってエサを放り込んで、さっさとニワトリを帰そう。
大人なのでカラスが進むにつれて帰る気配が出始める。一番遠くにいたkarokuさんは必死。ふうかさん、米出さんと帰宅し、残るはkarokuさんと私の戦いになる。そんな大事な場面で私はことごとく失敗し、エサがどんどん減って最下位。帰りには腕も相当上がっているはずなのに、焦りがそれを台無しにしてしまう。そんなリアリティがとても気に入った。
3Dカタン(Die Siedler von Catan 3D Edition / K.トイバー / コスモス, 2005)
久しぶりのカタンだった。新しいゲームを優先しているといくら楽しいと思ってもいわゆる定番ゲームが遊べないのが残念である。
出目が偏って9がやたら出る展開。karokuさんがこれで道を延々と伸ばして家も建て始め、あっという間に8、9点になった。残る3人がこれを追う展開。盗賊で止め、騎士で奪い、交渉を受け付けない。カタンというのは直接攻撃系のゲームだったんだなと再認識。その間にひたすら発展カードを買い続け、10枚も買ったが中身は2点どまり。そのうちやっとkarokuさんが10点に達して勝利した。
おふたりは3Dカタンを偉く気に入ってくれて、盗賊が動くたびに記念撮影タイム。こうやって喜んでもらうと自分で作ったわけでもないが所有者冥利につきる。
大きいAと小さいa(Das grosse und das kleine A / W.クラマー / アミーゴ, 1996)
くらってもめげないで
ゲーム内容はこちら。前回は多人数で2ラウンドしか遊ばなかったが、4人で5ラウンドやると印象がまた違う。Aカードやaカードで失点を取っても、被害を最小限に食い止めれば勝ち目はある。ふうかさんが圧倒的なカードプレイで優勢かと思ったが、勝ったのはkarokuさんだった。私は出すタイミングをすっかり間違えて1ラウンドで100点以上失点したが、米出さんの失点がさらに大きかった。Aカードやaカードを最初に取ると、出す前にラウンドが終わってしまうかとヤキモキして楽しい。