自宅ゲーム会02/07/11

自宅ゲーム会02/07/11

 かゆかゆさんをお誘いしてわんこさん宅にてゲーム会。にゃんとろさんもいらっしゃって4名。はじめにゲームに合う音楽について視聴会を行いましたが、ゲームが始まるとどんな音楽がかかっているかわからなくなるくらい没頭してしまいました。

ワイルドライフコンチェルト・グロッソビッグショットゴールドランド木食い虫

ワイルドライフ(Wildlife/W.Kramer/Clementoni 2002)

ワイルドライフ何百万年も昔の小さい島を舞台にした陣取りゲーム。クラマーのクレメントーニ・シリーズ第3弾で、今年のニュルンベルクで発表されたばかりのゲームです。クレメントーニは大きい玩具会社ですが、ゲームに参入してきたのはつい最近で、そのせいかクラマーを3作、クニツィアを2作も発表しているにも関わらず、ドイツでもあまり評判になりません。日本でも販売実績がなく、謎のベールに包まれていました。
 その謎のベールに風穴を空けるべく、個人輸入を募ったところ、かゆかゆさんが購入して下さり、遊ぶ機会に預かったというわけです。なおBoardgamegeekから英訳を手に入れることができます。今回はドイツ語ルール直読みで挑戦。
 ゲームは6人まででき、プレイヤーはワニ、ヘビ、ワシ、マンモス、クマ、ヒトという6種類の動物のいずれかになります。島にはサバンナ、山地、ステップ、砂漠、湖、森という6種類の地形があり、動物によって得意な地形と不得意な地形が分かれます。例えばクマは森に強いですが、砂漠とステップには入ることすらできません。移動できる地形、繁殖できる地形、他の動物を攻撃できる地形がそれぞれ異なります。
 さてゲームは10枚の手札からカードを3枚プレイし、アクションを行うことで進行します。それぞれの地形カードを出せば、その動物の能力によってそこに移動したり、繁殖したり、他の動物を攻撃したりできます。進化カードを出せば、これまで入れなかった地形で行動できるようになります。特殊能力カードを出せば、攻撃してくる動物を防御できるようになったり、1回の手番で出せるカードが4枚になったりします。あとは伝染病を流行らせたり、食糧難に陥らせたりして他プレイヤーの戦力を削ぐというカードもあります。
 次にいらないカードを他プレイヤーに売却します。他プレイヤーは競りでカードを買い求めます。購入したカードは、自分の手番でないのにすぐに使うことができるのでお得です。購入は3枚までできるので、他プレイヤーの利益になり過ぎないよう注意しながら、売却して儲けましょう。払える分がなければ点数マーカーを戻して食料を調達することもできます。
 それから身に付けた特殊能力を行使したり、追加移動をしたりできます。
 島の中でいくつかに区切られた地形が、動物でいっぱいになると得点計算が起こります。最後に動物を置いたプレイヤーが3~5点の点数をもらいます。動物がこの地形から出入りしてもわからなくならないように、得点計算が終わったしるしとして白いマーカーを置きます。
 そしてゲーム中に3回、いくつかの地形が埋まったところで大きな得点計算が起こります。それぞれの地形で多数を占めているプレイヤー、連続した動物の群れが大きいプレイヤー、進化の進んだプレイヤー、特殊能力の多いプレイヤー、食料の多いプレイヤーは得点になります。それぞれの地形では、全部のマスを独占していれば5点、他の動物がいなければ4点、他の動物がいれば多い順に3,2,1点となります。最後に点数の最も多いプレイヤーが勝ちです。
 戦い方としてはできるだけ隣接する地形に動物を置いていくという戦略になります。ただし、相手の得意な地形に入って食べられてしまうと手痛いので特殊能力の防御カードはとても有用です。
 誰も攻めてこなかった(攻められなかった)中央の森と山を制した、クマ(私)がダントツで1位。ヘビ(かゆかゆさん)は細長い陣形を組んだのですが、途中で分断されてしまいました。マンモス(わんこさん)はクマとヘビにだいぶ殺されましたが(どうやって?)、何とか生き延びて最後に2位に浮上。ワニ(にゃんとろさん)は湖以外で伸び悩み、4位となりました。
 動物はわんさか出てくるので、「エボ」や「原始スープ」のような進化・生き残りゲームではなくて、むしろ「エル・グランデ」のような陣取りゲームの色合いが濃いと思いました。島が小さくて定員が決まっているので考える時間もそれほど要しません。面白いです。今年のクラマーの作品としては、ゴールドランドよりもよくできていると思いました。国内での販売が待たれるところです。
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コンチェルトグロッソ(Concerto Grosso/H.Buecken/Amigo 2000)

 一瞬の判断が試されるジェスチャーゲーム。わんこさんとたかのさんがおすすめする一品です。
 110枚のカードにはさまざまな奏者の絵が描いてあります。全部がうさぎさんで、とてもかわいいです。その中で4種類だけ、出たらジェスチャーをしなければいけないカードがあります。ティンパニ奏者なら手を挙げる、シンバル奏者なら手を叩く、歌手なら耳を塞ぐ、指揮者なら立ち上がる。それ以外の奏者では何もしてはいけません。
 ゲームは手札のカードを裏向きにして1枚ずつめくっていきます。みんな間違わなければカードを捨てられますが、間違ったジェスチャーをしたり、遅かったりしたら場札をもらわなければなりません。はやく手札を捨て切った人が勝ちです。
 これだけのルールで盛り上がるのですから、パーティーゲームにはうってつけでしょう。また音楽をテーマにしたゲームとしても秀逸です。ただし、3人だけでは終わりにくいのと、畳に座っているところから立ち上がるのはたいへんだと思いました。にゃんとろさんが1位。
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ビッグショット(Big Shot/A.Randolph/Ravensburger 1999)

 競りで街区を陣取りしていくゲーム。ランドルフの作品ですが、受賞がなく箱も地味だったのであまり注目されなかったゲームです。わんこさんのおすすめ。
 手番にはまずサイコロを振って、ボードの周囲にある各マスから、どのコマを競りにかけるか決めます。コマは4つ1組(色の組み合わせはさまざま)で競り落とされ、競り落としたプレイヤーが街区の好きなところに配置します。
 1つの街区に7つのコマが置かれたら、その街区は売却されたことになります。その街区にいちばん多くコマを置いているプレイヤーのものになりますが、トップタイの場合は、次点のプレイヤーのものです。つまり自分のコマが3つあるからといって安心していると、他の色のコマ3つを置かれてしまい、たった1つだけ自分の色のコマを置いたプレイヤーのものになったりする訳です。油断できません。
 そういうわけで競りにはできるだけ勝ってコマを配分する権利を得たい訳ですが、お金が本当に少ししかありません。すぐに借金生活になりますが、利息の取立てが厳しくて現金がどんどんなくなっていきます。また、街区の利益はゲーム終了時に入ってくるので、それも使えません。他のプレイヤーに任せていいところなのか、絶対とらないといけないところなのか、よく見極めることが大切です。
 持ち金10で始まったのですが、最後1位になったにゃんとろさんは7、私に至っては赤字決算という結果に。「競りに全く参加しない方がお金があったじゃん」と思ったら、勝利条件は最低2つ、街区を所有していることなのだそうです。競りと配置のバランスがうまく組み合わされた好ゲームでした。
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ゴールドランド(Goldland/W.Kramer/Goldsieber 2002)

 幻の黄金卿エルドラドを目指して未知の島を探検するゲーム。「アフリカ」で入賞を逃したゴルトジーバーがクラマーにたのんで発表した意欲作。年間ゲーム大賞のノミネートは逃しましたが、ドイツゲーム賞に入る可能性はまだあります。日本ではつい最近メビウスから発売されたばかりです。
 手番には移動(コマを進める)・探検(タイルをめくって置く)・交換(アイテムを集める)という3つの行動を好きな順序で行います。7マス×7マスのエリアの隅からはじめて、対角線上にある黄金の神殿を目指します。途中の地形は山あり谷あり湖あり、その上盗賊や猛獣などが出没して簡単には進めません。そのたびごとに指定されたアイテムを使って困難を乗り越えていきます。
 スコップ、銃、ロープ、薪、魚、真珠…アイテムがなければ手持ちのアイテムと交換できるところまで行ってこなければなりません。いちいち海岸の村まで戻っていると探検が遅れてしまいますし、アイテムを持ちすぎるとたくさん移動できなくなりますので、できるだけ途中で調達していけるとよいでしょう。しかしどのアイテムが調達できるかは、引いたタイル次第です。
 こうして困難を乗り越えながら少しずつ神殿に向かい、いち早くたどり着けばボーナスがあります。また途中の困難をどれくらい乗り越えたかでボーナスがあります。それから途中金貨を掘り出すことができ、それもボーナスになります。最後にお金をいちばん持っているプレイヤーの勝ちです。
 かゆかゆさんが2つのアイテムを交互に交換できるゴールデンルートを突き進み、ダントツの1位。私は海岸端でとろとろ山賊をやっつけていたら、奥地に入るチャンスを逃してしまいました。
 探検の雰囲気をリアルにシュミレートしていると思います。コンポーネントが多い割に意外なほど軽く、時間も1時間かかりません。タイルをめくったときに行動がある程度決まるので、あまり考えるところがないからでしょう。サクサク進むのは歓迎です。しかし、他のプレイヤーを邪魔したり、または協力したりという要素が少なく、ソロプレイに近くなるところが気になりました。それだけ対象年齢を問わないファミリーゲーム志向だということかもしれません。昔、パーティージョイにこんな感じのゲームがあったような気もします。
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木食い虫(Der 13. Holzwurm/W.Kramer/Amigo 1997)

 クラマーのカードゲームというと6ニムトが有名ですが、同じくらいお手軽で、それでいて結構考える要素もある隠れた名作。マイナスのカードを捨て、プラスのカードを集めるか、カードを全部捨てることでたくさんの点数を取ることを目指します。
 手番にはカードを場に出していきます。カードは5色あり、色別に並べます。出すときのルールは、出すカードの数字(絶対値)が、その色の場札の枚数よりも大きいように出すというものです。もし小さいカードを出せば、その色の場札を全部取り、その上もう1枚カードを取ることになります。
 6枚目のカード(-13点の木食い虫)が取られるか、誰かが全部の手札を出し終えたらゲーム終了です。全部出せれば30点ボーナス、それ以外は手札の点数の合計値で、もっとも点数の高い人の勝ちです。最初の手札が肝心なので、偏らないように3回勝負とします。
 マイナスをどんどん捨てて、他のプレイヤーががまんしきれなくなって取るのを待つか、あるいは他のプレイヤーがプラスのカードを出してきたらわざととって、マイナスだけ捨てるか、いろいろ考えます。終わるのは意外に早いので、マイナスのカードをいかに早く処理するかがポイントとなるでしょう。
 かゆかゆさんが1位。場を払うときにもらうカードは後半ほどマイナスになっていくので、どのタイミングで取るか、いろいろ計算がはたらきます。

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