ボードゲームカフェバー:2022年の新規開店は41件
2022年のボードゲームカフェバーの新規オープンは41件だったことが、当サイト調べでわかった。昨年の40件と同じで、コロナ前の水準には戻っていない。
今年も新型コロナウイルス感染者の高止まりが続いているが、9月から全数把握が見直しとなり、飲食店にも人が戻ってきた。しかし新規開店には二の足を踏む経営者が多いようで、コロナ直前の年間60件程度には及ばなかった。飲食を伴わないプレイスペースは堅調で、コロナ禍前からの水準を維持している。
現在、日本国内で営業しているボードゲームカフェは254件、ボードゲームプレイスペースは148件(ボードゲームカフェバー/プレイスペースリンク集)。ボードゲームカフェバーの閉店件数は17件と、昨年の15件、一昨年の17件と同程度。経営赤字となっているお店、長期休業中のお店もあり、厳しい状況も見え隠れする。来年はコロナ禍がさらに収まっていく中で、ここから復調できるか正念場となりそうだ。
アップルジャック(Applejack)
リンゴをたくさんつなげて大豊作
『ノヴァルナ』『サガニ』『フレームワーク』と出版社を変えながら続いているローゼンベルクのタイル配置パズルゲームは、これまで四角形だったが、この作品で六角形になった。同じ種類のリンゴをできるだけつながるように配置し、ハチミツを集めるゲーム。ザ・ゲームビルダーズというドイツの新興メーカーが今年のシュピールで発表した。
中央にはタイルが並んでおり、手番にはダイスの両脇の列から1枚選び、書いてある数字だけハチミツを支払ってプレイヤーボードに配置する。カゴが隣接すると小さい方の数字だけハチミツがもらえ、それを元手に次のタイルを取るという流れ。
ダイスはラウンドマーカーで振ることはない。手番ごとに1マスずつ進み、選べるタイルが半分ずつ入れ替わる仕組み。自分が選ぶタイルは先の先までわかるが、その半分は前のプレイヤーに取られる可能性があるというかたちでインタラクションを生んでいる。
ダイスがリンゴのマークを通過すると、そのリンゴについて決算が起こる。つながっているリンゴの数からダイス目(=ラウンド数)を引いた分だけハチミツをゲット。またラウンド終了時には花の数だけハチミツがもらえる。
こうして3ラウンドでプレイヤーボードが全部埋まってゲーム終了。最終決算を行ってハチミツの数が最も多い人が勝つ。『パッチワーク』のボタンのように、終盤は気持ちいいくらいじゃぶじゃぶハチミツが入ってくるが、ゲーム中の通貨が最終得点になるので無駄遣いしてはいけない。
リンゴは7種類あり、タイルによってさまざまな組み合わせで0~3個描かれている。最後に全種類ボーナスもあるので満遍なく集めつつ、どれかを伸ばしていくというのが基本方針。集めているリンゴが前のプレイヤーとかぶらないようにしよう。
六角形なのでつながるパターンが多く、さらにリンゴの種類も豊富なので悩みどころが多い。ぴったりのタイルが入ったときの気持ちよさも、ちょうどよいタイルが来なかったときの苦しさも、どちらもとても面白い。
Applejack
ゲームデザイン:U.ローゼンベルク/イラスト:L.ジークモン
ザ・ゲームビルダーズ(2022年)
1~4人用/8歳以上/30分