鳥を集めて手札強化『ナナトリドリ』4月20日発売
ゲームマーケット2021秋にA teamから発表され、アークライト・ゲーム賞2022で佳作に選ばれた『HACHI TRAIN(ハチトレイン)』を電車から小鳥にテーマを変えてリメイクした作品。手札を並べ替えることができず、回収したカードで同じ数字を揃えて出すゴーアウト系のカードゲームだ。
大富豪の要領でカードをプレイし、手札を早くなくしたらラウンドから抜けられる。前のプレイヤーより強いカードを出したときは、前のプレイヤーが出したカードを手札に自由に挿し込み、パスしたときは山札から引いたカードを自由に挿し込む。こうして同じ数字のカードを揃えて一気に出せば、みんなパスせざるを得ず、連続手番ができるだろう。
3回パスしたら負けの2人用ルールを追加し、プレイ人数の幅も広がった。色とりどりの鳥イラストも華やかで、集まってきたときのビジュアルも楽しめる。
チャレンジャーズ!(Challengers!)
TCG大会のような高揚感
デッキを構築しつつ1対1の対戦を同時進行で行うカードゲーム。オーストリア人コンビがデザインし、『リフトフォース』のワンモアタイムゲームズから昨年発売された。フランス年間ゲーム大賞で中級ゲーム部門に選ばれた。TCGの大会に出ているような高揚感が味わえる。
テーブルの四隅にマットを置き、1回戦ごとに大会プランカードに指示されたマットのところに移動する。何人でプレイしても7回戦を行い(奇数の場合はボットが入る)、成績優秀者2名で決勝戦を行う。
各回を始める前に、指定された山札から5枚カードを引いて、その中から1~2枚のカードを自分のデッキに入れる。その後、不要なカードを何枚でも廃棄してよい。最初のデッキはみんな同じだが、何を引いて、何を入れるかで少しずつデッキの特性が出てくる。
デッキを組んだらシャッフルし、どちらかのプレイヤーが1枚出し、フラグを置いてスタート。相手はカードを1枚ずつめくっていって、戦力が同等以上になったらフラグを奪える。カードには基本戦力があり、それに特殊効果によって足されることもある。
フラグを奪われたらそれまでのカードは横に移動させ、攻守交替して、今度はフラグを奪われたプレイヤーがカードをめくっていく。戦力が同等以上になったらまた交替。これを繰り返し、相手のデッキが切らすか、横に移動したカードの種類が7種類にすれば勝ちとなる。
きわめてシンプルなデュエルだが、デッキの特性と、カードが出る順番によって勝敗が変わり、1回戦5分くらいでエキサイティングな展開が楽しめる。トリッキーなカードを連発するもよし、基本戦力の強いカードを入れて押しまくるもよし。
勝った方はトロフィーをもらい、それぞれ次のマットへ移動する。このトロフィーや、カード効果で手に入るチップの勝利点で成績優秀者を決める。最後は上位2名による決勝戦。7回戦で磨きあげてきたデッキをぶつけあう。他のプレイヤーが「俺はあのカードで負けた」などと解説しながら観戦に回るのも決勝戦を盛り上げる。
6テーマセット・75種類・300枚以上のカードはどれも効果がシンプルで(効果がないものも)、強さ比べが盛り上がる。毎回1テーマセットを抜くのでリプレイ性も保証。多人数を2人単位で分割するというアイデアにより、独特なプレイ感を生み出したイノベーティブな作品だ。
Challengers!
ゲームデザイン:J.クレンナー&M.スラヴィチェック/イラスト:J.ハーヴェイ
ワンモアタイムゲームズ(2022年)
1~8人用/8歳以上/45分