ボードゲームカフェ/プレイスペースの「平均寿命」
2014年から現在までの10年間に閉業した国内ボードゲームカフェ、ボードゲームプレイスペース168店舗について、開業時期と閉業時期から営業期間を算出したところ、「平均寿命」は31ヶ月(2年7ヶ月)だった。分布は下記グラフの通り(中央値は22ヶ月)。
当サイトでは、ボードゲームカフェリンク集とボードゲームプレイスペースリンク集を随時更新しており、データをもとに都道府県ボードゲームカフェランキング(人口10万人あたり)を発表したこともある。閉業は発表されないことが多いため、定期的に1店舗ずつウェブの更新状況、Googleの店舗営業情報などを調査し、閉業が確認されたものはリンク集から削除。その際に閉業時期を記録している。
今年は新型コロナの5類移行に伴って客足が戻るはずだったところに、8月までに27件閉業と、昨年に引き続き年間40件ペースとなっている。存続しているお店からもよく苦境を伺う。7月に閉業したキウイゲームズ(大阪)の山崎店長は、客足が戻らなかった要因として「旅行」を挙げているが、レジャーのトレンドは移ろいやすく、コロナ前に戻れるわけではないようだ。
ラーメン店の平均寿命は28ヶ月で、飲食店業界では短いほうだという(出典)。長続きしない原因として、開業の準備不足(資金、コンセプト、シミュレーション)、安い客単価、宣伝不足、接客のまずさ、レッドオーシャン化などが挙げられるが、ボードゲームカフェ・プレイスペースにも当てはまる部分があるのではないだろうか。
現在営業中のボードゲームカフェは全国で約250店舗(うち今年オープンが20店舗)、ボードゲームプレイスペースは約150店舗(うち今年オープンが11店舗)。新規開店ペースは昨年の75%ぐらいであり、閉業数との差し引きで総数では減少傾向にある。
グラフ:ボードゲームカフェ/プレイスペースの「平均寿命」(開業から閉業までの期間)
(9月7日追記)「閉業したお店だけでなく、現在営業中のお店も計算に入れるべき」というご意見を頂いた。そこで年間開業数が10店舗以上となった2014年以降、合計575店舗について、開業年別に「現在も営業している店舗数÷開業数(=生存率)×営業年(2014年は9年~2023年は0.5年)」を計算して平均したところ、3.25年(3年3ヶ月)という結果になった。10年以上営業しているお店は少数ながら生存率が高いため、2005年以降の609店舗で計算すると4.98年(約5年)まで延びる。また、営業中の店舗を現在までの営業月数で集計し、閉業した店舗の営業期間と併せて平均した場合、49ヶ月(4年1ヶ月)となる。生存率が年を経るごとに下がっていないため、期待値での計算は難しい。
アナログゲームフェスタ2023、浅草で9月9日開催
昨年9月に続き第3回となる創作アナログゲームの展示即売会。会場も前回と同じ台東区産業貿易センターで開催される。出展団体は昨年とほぼ同じ130団体で国産同人・創作ゲームがメイン。会場マップや出展される作品はウェブサイトで事前チェックできる。
ブース試遊もあり、3ヶ所で試遊すると景品がもらえるスタンプラリーが開催される。
台東館・台東区民会館でのボードゲームイベントは2月の「浅草パズル&ゲームフェスティバル」、7月の「CONNECT」、8月の「浅草ボドゲ試遊即売会」に続いて今年で4回目。