日本ボードゲーム大賞2013に『チャオチャオ』と『ツォルキン』
今年で12回目を迎える日本ボードゲーム大賞。昨年1年間に日本国内で新発売された215タイトルの中から大賞を選んだ。
選考部門(ゆうもあ賞)は、ゲームをあまり遊ばない家族向けにゆうもあがお薦めする作品。今年は『チャオチャオ』が選ばれた。出たダイス目をみんなに見せず、嘘をついてコマを進める作品で、日本語版がメビウスゲームズから発売されている。ノミネートには『ジョイント・ブロッカーズ!』『バナナマッチョ』が選ばれている。
投票部門は昨年12月から今年2月まで、3ヶ月間にわたって全国のショップ、ボードゲームサークル、およびネットで行われ、36都道府県から217名(昨年比-80名)が参加した。各自ベスト5まで記入できる方式で、1位5点、2位4点、3位3点・・・として集計した結果、『ツォルキン:マヤ神聖暦』が1位となった。連動する歯車の上にコマを置いてさまざまなアクションを行い、神々に捧げ物をしていくボードゲームでチェコゲーム出版(チェコ)から発売され、日本ではホビージャパンが取り扱っている。
2位以下の順位は下記の通り。『ラブレター』が1位、『Vopals』が2位に選ばれた昨年とうって変わって、国産の入賞は9位の『ステステマーケティング』のみに留まっている。
【日本ボードゲーム大賞2013】
選考部門(ゆうもあ賞)
大賞:チャオチャオ(Ciao Ciao / A.ランドルフ / ドライハーゼン / メビウスゲームズ)
ノミネート:ジョイント・ブロッカーズ!(Blockers! / K.ヒース / アミーゴ / アークライト)
ノミネート:バナナマッチョ(Banana Matcho / T.フツラー / ツォッホ / メビウスゲームズ)
投票部門
大賞:ツォルキン:マヤ神聖歴(S.ルキアーニ、D.タスキーニ / チェコゲームズ出版) 181点
2位:レジスタンス:アヴァロン(The Resistance: AVALON / インディーゲームズ / ホビージャパン)149点
3位:テラミスティカ(Terra Mystica / H.オスターターク、J.ドレーゲミュラー / フォイヤーラントシュピーレ / テンデイズゲームズ) 129点
4位:アンドールの伝説(Die Legenden von Andor)120点
5位:キーフラワー(Keyflower)101点
6位:村の人生(Village) 99点
7位:十二季節の魔法使い(Seasons) 92点
8位:テレストレーション(Telestration) 81点
9位:ステステマーケティング 69点
10位:シドマイヤーズシヴィライゼーション(Sid Meyer’s Civilization) 65点
10位:ベガス(Vegas) 65点
・NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2013 ゆうもあ賞 決定/日本ボードゲーム大賞2013 投票部門 発表!
レビュアーの評価
中村誠さんがツイートで、ボードゲームの目利きをもっと評価しようと述べている。
これだけ沢山ボードゲームが発売されるということは素晴らしいことなんだけど(特に同人を含めた国産)、反面危うい状況でもあって、あまりにも沢山ありすぎて、1つ1つが評価されない、いい作品が埋もれてしまうという危惧がある。まず必要なのは、数多の新作から、傑作ゲームを見つけ出す人。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
ただ、玉石混合の新作ボードゲームの中からマスターピースを探し出すのに長けている人、いわゆる目利きの人はいて、ブログやらTwitterやらで情報発信してくれている。ボードゲームソムリエとか、ボードゲームコンシェルジュとか言ってもいいような人。これはホントにありがたい。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
ただ、玉石混合の新作ボードゲームの中からマスターピースを探し出すのに長けている人、いわゆる目利きの人はいて、ブログやらTwitterやらで情報発信してくれている。ボードゲームソムリエとか、ボードゲームコンシェルジュとか言ってもいいような人。これはホントにありがたい。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
そういうボードゲーム目利きの人も結構いて、今度はどの目利きの人の言うことを信じてボードゲームを選べばいいのか、という状態。ボードゲームの良し悪しは絶対的なものではなく、極めて好みに左右されるものだから、自分の感覚にあったボードゲーム目利きの人を見つけるのは大事。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
で、今、あるいは今後必要なのは、ボードゲーム目利きの人を評価すること。人気メーカーや人気デザイナーがいるように、「この人が『面白い』というならまちがいない」という人気ボードゲーム目利きもいてしかるべき。もちろん今もいるんだけど、もっともっと評価されていい。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
で、今、あるいは今後必要なのは、ボードゲーム目利きの人を評価すること。人気メーカーや人気デザイナーがいるように、「この人が『面白い』というならまちがいない」という人気ボードゲーム目利きもいてしかるべき。もちろん今もいるんだけど、もっともっと評価されていい。
— まこ (@macogame) 2014, 3月 3
一番目利きだと思うのは、レビュアーの方々よりもまず輸入代理店や専門店の方である。世界中で発売される1000タイトルや、国産の300タイトルから、面白いものを探し出してくるのは類まれなる才能だ。特に、評価の定まっていない新しい出版社を開拓し続けるゲームストア・バネストの中野さんや、テンデイズゲームズのタナカマさんは尊敬に値する。
こうした目利きの方々に絞りこまれて販売される中から、面白いゲームをピックアップするのがレビュアーの腕の見せどころだ。しかしその手腕が公に評価されているかというと、中村氏の言う通り今ひとつである。実際に行われているのは2ちゃんねるぐらいしか思いつかない(そこで私は、何でも面白いとしか言わないので参考にならないという評価を受けている)。
なぜレビュアーはあまり評価されないのだろうか。
一番の理由は、レビュアーがそんなに多くないからだろう。ある程度まとまった数を、定期的にレビューしている人となると、十指で数えられるほどしかいない。愛好者の多くは、自分の好みに近いと思えるレビュアーを見つけられないのかもしれない。
そのような現状のせいかもしれないが、多くの愛好者にとって、気になるゲームがどんなゲームかを知るところまでがレビューの役目になっているようだ。過去のエントリー「ゲーマーが見ているボードゲームサイト」では、「サイトは見ても購入の参考にはしていない」という人が結構いることが分かった。また、アンケート「購入するとき一番決め手になるのはどれ?」でも、レビューを参考に購入している人は4割に満たない。レビューを読んでどんなゲームか分かったら、買うかどうか決めるのは自分自身の直感であり、レビューを鵜呑みにしてはいない。
次に、不特定多数向けの限界がある。専門店で一番困る質問は「このゲーム面白いですか?」だという。ことボードゲームにおいて「私が面白い」は、「あなたも面白い」を全く保証しない(それどころか「この人が『面白い』というのなら間違いなく面白くない」ということも経験上存在する)。「軽いゲームを繰り返し遊びたい人にはオススメです」というように限定しても、複雑で微妙な愛好者の好みにまで合致することは難しい。
その点、プレイ環境が似通った、自分のことをよく知っている身近な人の意見が一番役に立つ。この人が薦めるなら、間違いなく買いだと思える人。そんな身近な目利きは、ウェブでは目立たないけれども各地に結構いると思う。でもそういう人とは日常的に遊んでいるわけで、その人がもっているならば買う必要はないかもしれない。
そして、レビュアーの評価というメタ評価は、考える機会も表明する機会もまずない。ゲーム会の後に、遊んだゲームの感想ではなく、レビューの感想を話しているのだったら、だいぶ変わっていると言わざるを得ない(私は大好きだが)。せいぜい読んだことがあるかどうかぐらいだろうと思う。
そのようなわけでレビュアーの評価というのは難しいのが現状だが、「ワレスなら○○さんの評価が間違いない」「2人ゲームは□□さんの感想が的確」「変なゲームは△△さんにお任せ」「カードゲームは・・・」「マイナーゲームは・・・」というように得意分野で見ていくと、もっと評価しやすくなるかもしれない。
当サイトでは「海外の賞を受賞した」「テーマが変わっている」「システムが斬新」「長時間でない」あたりがキーワードで、そのようなゲームを中心に紹介している。