『斬―ライジングサン―』日本語版、5月下旬発売
イタリア人デザイナー、E.シアーラの作品でdVジョーキ(イタリア)から今年発売されたばかりの作品が早くも日本語版となって登場する。西部劇がテーマだった『バン!(Bang!、2002年)』をリメイクして2012年に発売された『斬―サムライソード―』(TGiWレビュー)の初めての拡張セット。
将軍・侍の幕府側、幕府転覆を目論む忍者、そして無頼の浪人の三勢力に分かれ、お互い正体が分からない中で自分の勢力の勝利を目指すカードゲームに、拡張セットが加わった。謙信、官兵衛などの新たな武人12人と、プレイカード40枚が加わり、「バンザイ!」や「開示」などの新ルールを追加。さらにスリリングなプレイを楽しむことができるようになった。また、これまで7人までだったところに、8人プレイ用のルールとコマ類が追加されている。
長きに渡る将軍と忍者の争いに転機が訪れる。同胞を得た浪人の宿命が、名誉ある戦いに絡み合うこととなった今、高潔なる侍は命を賭してでも幕府を護り抜くことができるのだろうか? ライジングサン―日出る土地の覇権を握るのは誰か?
・ホビージャパン:斬―ライジングサン―
・dV giochi:Samurai Sword:Rising Sun
ステステマーケティング(Sute Sute Marketing)
誰か捨てて! 俺は捨てないけどな
ゲームは手番に2枚引いて、1枚を場に捨てるというのを、山札がなくなるまで繰り返す。捨てたカードは種類ごとに分けて並べておき、何枚あるか分かるようにしておく。あとはジョーカーカード「静かなブーム」があるくらいで、いたってシンプルな進行である。しかし、何を捨てて、何を手札に残すか、非常に悩ましい。
山札がなくなったら得点計算。手札を公開して、種類ごとにアイテムを最も一番多くもっている人は、捨て札の枚数分だけ得点が入る。二番目に多い人は一番多くもっている人の枚数だけ得点で、三番目以下は得点なし(同点は頭割り)。
すなわち、場にたくさんカードが捨ててあって、自分が1枚だけ抜き出ている状況が理想である。しかしそううまくいくとは限らない。
種類ごとに全体で何枚あるかは、カードに書いてある。たくさん枚数があるのに、場にあまり出てこないときは、みんながガメていることが予想される。「おいおい、このままじゃ1位をとっても点数低いですよ」などといって、ほかの人が捨てるよう誘導するのは基本。お互いそんなことを言い合って、ヘンな譲り合いになるのが笑える。
5人プレイで30分ほど。集めかけたカードを捨てるか、それとももっと集まるのを待つかの瀬戸際が悩ましい。枚数の少ないカードほど、中盤からトップ目かどうか分かってくるので、その情報を元に取捨選択していくのが頭を使った。悩みつつも、「消しゴムもっと捨てないんですかー」「あーあ、牛乳キャップ捨てちゃった!」など言葉が行き交い、賑やかな雰囲気で楽しめた。
ステステマーケティング
北条投了/芸無工房Loserdogs(2013年)
3~6人用/8歳以上/30分