庄内テーブルゲーム研究会 06年07月03日

庄内テーブルゲーム研究会 06年07月03日

山形帰省中に、実家から100キロ離れた鶴岡までゲームを遊びに行く。100キロと言っても信号のほとんどないところなので、2時間弱で着く。参加者は私を含め5名。4人以上集まってボードゲームができるという環境は、地方のボードゲームサークルでは必ずしも当たり前ではない。山形県内のボードゲームサークルは村山地方のYBGC(山形ボードゲームクラブ)と庄内地方のSTGS(庄内テーブルゲーム研究会)だけで、私の住む置賜地方で立ち上げるのはまだ難しそうな気がした。
 汗ばむくらいの熱気だが、暑さが気にならないくらいゲームに集中。帰りは夕食を一緒に食べて雑談。今年のドイツ年間ゲーム大賞の予想とか、マジック大人買いの話とか。

それ何やねん?ダンプフロス|私の世界の見方

それ何やねん?(Was’n das? / P.パリエール / ラベンスバーガー, 2006)

それ何やねん迷っている時点でこれではないな

今年の年間ゲーム大賞で推薦リスト入りしたコミュニケーションゲーム。6つのお題から指定された1つを、ありあわせのパーツを使って表現し、当ててもらう。
 例えば2文字というテーマのお題。①JR、②WC、③IQ、④ED、⑤EU、⑥IT。親は、番号カードを1枚隣の人に引いてもらってそれを自分だけ見る。そして机の中央にある10のアイテムを自由に並べて表現しよう。解説を加えたり、効果音を入れたり、アイテムを使ってジェスチャーしたり、番号やイニシャルを作ったり、そういったことは一切禁止。黙々とやること。このお題が当たったOさん、毛皮の上にネコのジグソーパズルピースとバナナを置いた。
 ほかの人は分かったと思ったらその番号のカードを中央に。当たっていれば、先に出した人ほど得点が高い。親は当てた人の数だけ得点。Oさんの正解は②トイレ。置いた毛皮が猫のトイレで、バナナがウンコを表していたと見抜いたのは、どうやら私だけのようだった。
 テーマはほかに「映画」「○月の事件」など。ドイツ語版は全くのドイツ人仕様で、訳したとしても遊べないようだったのでオリジナルのものを製作。親が迷っている時点で「あれが答えだったらこれを使うはずだから、あれはないな」などと消去法を試みたり、絶対の確信をもって出したものが大勘違いで「えぇ~これが○○のつもり?」などと盛り上がったりと、笑えるコミュニケーションゲームだった。親が1つアイテムを取り上げた瞬間にこれだと分かる直観と、親が付け加えるアイテムで絞り込んでいく慎重さの両方が必要とみた。

ダンプフロス(Dampfross / D.ワッツ / シュミット, 1983)

ルール地方をなめるな

ボードの上にクレヨンで線を引いて鉄道網を広げ、その鉄道網を使ってレースをする鉄道ゲーム。1984年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作品。はじめは1973年にイギリスで発売され、80年にドイツ上陸して大賞ノミネート入り、それから3年後にシュミット社から発売されて大賞を取った。その影響で85年に追加マップを入れたダンプフロス2が発売、92年に美しいグラフィックでリメイクされたが、版によって使われているマップが異なる。リメイク版はアイルランド、ケンタッキー&テネシー、バイエルン、ロシアだが、シュミット版はドイツ、フランス、USA東、USA西という構成。ルールも運の要素を減らして戦略性を高める変更が加えられている。
 ヘックスを使った鉄道ゲームで、プレイ時間が2時間以上というと、敷居が高く感じられる人もいるかもしれないが、やることは至って簡単だ。まずレールを敷こう。スタートプレイヤーがダイスを1つ振って、その数だけ全員が順番に線路を延ばす。平地は1点1マスだから、4が出れば4マス伸ばせる。山に登ったり、川を越えたりするときは追加で2点必要になる。また他の人の路線に接続したりすると追加料金。「1、2、3、4」キュッキュッキュッキュ。
 全員が書いたら次の人がまたダイス。こうして全ての都市がつながるまで思い思いの線路を延ばしていく。全ての都市がつながったら、いよいよお待ちかねのレースだ。ダイスを振って、スタートとゴールを設定(各都市に2桁の番号が書いてあり、2つのダイスで1の位と10の位を決める)。2回に1回は、ドイツ周辺への到達を競う国際レースも。参加希望者はダイスを振って列車を進め、1位と2位に賞金が出る。このとき使用料を払えば、他の人の路線も使えってよい。規定の金額にいち早く達した人が勝ち。
 山々を抜け、川を越えて広がっていく鉄道網は美しいが、その実よいルートをめぐる争いは熾烈だ。より便利なルートをより早く手に入れたい。自社路線だけで往来できるエリアを増やしたい。例えばドイツマップでは、都市が集中するルール地方周辺(ケルンやエッセンのあるところ)から南北に伸びるルートは重要で我先にと競争になった。
 しかし、路線が短いからと言って列車が早いとは限らない。レースはダイスだのみ。遠回りだって6を連発して勝つかもしれない。熱いダイスロール合戦には、前半の線路引きとは全く違う種類の面白さがある。

 ミュンヘンからルール地方に至る西南ルートを開発した鴉さん、ハンブルクからルール地方に至る北西ルートを作ったpsy10さんがレースを有利に展開し、それをベルリンから出るルートが充実しているOさんが追う。私とnagaさんはミュンヘン周辺、ハンブルク周辺に広がっていたが、幹線ルートがなく参加できないレースが続いた。結局、豊富な資金力で自社路線網を固めたpsy10さんが1位。
 レースでは参加の意思確認、ルート選定、お金のやり取りがあるためそこで時間が伸びるが、あとはダイス勝負なので爽快感もあり、ゲームはだれなかった。どういう線路を引くとよいかは、一度遊んでみないと分からないが、初回でも十分に楽しめた。

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