ドロッセルマイヤーズ、通販再開
昨年12月に実店舗の営業を終了した(TGiWニュース)ドロッセルマイヤーズのネットショップが4月6日、リニューアルオープンした。絶版になっていた『巨竜の歯みがき』海外版などオリジナルゲームが並ぶ。
実店舗を営業していた3年間は、とにかくボードゲームに関することを「あれも、これも」と思いつくこと全てやろうとしていたという渡辺範明店長。これからは「ドロマイ」の役割や、自分たちの本当にやりたいことに焦点を絞りながら、意義ある活動をしていきたいという。
『巨竜の歯みがき』海外版(写真下)は、ドロッセルマイヤーズのワークショップから生まれたオリジナル作品の再版。台湾のビッグファンゲームズ社が製作し、日本語ルール込みで豪華な宝箱調の木箱に入っている。価格は初版と同じ1900円。ほかにもドロッセルマイヤーズがプロデュースした『HYKE』、『アダムとイブ』、『人狼ゲーム』などのオリジナルゲームを取り扱う。
R.クニツィアの競りゲーム『モダンアート』のローカライズ、人狼イベント「嘘つき村の人狼」、映画試写会でのボードゲーム体験、オリジナル巻物型バックギャモンボードの製作など、独特の活動を続けてきたドロッセルマイヤーズ。今後の展開から目が離せない。
・ドロッセルマイヤーズ
クウィックス・カードゲーム(Qwixx: Das Kartenspiel)
カンチャンズッポリで一発逆転
昨年のドイツ年間ゲーム大賞で、『花火』と共にノミネートされた小箱ダイスゲーム『クウィックス』。小箱かつダイスゲームという、これまでの路線でない作品が選ばれたことで話題となった(TGiW:クウィックス)。
『花火』もそうだが、シンプルさが売りのゲームは大賞にノミネートされても拡張セットをリリースすることは難しい。そのため『花火』も『クウィックス』も、デラックス版が発売されたが、『クウィックス』は今年、カードゲーム版となった。デザイナーには『バザリ』のシュタウペが加わり、カードゲームならではの戦術性が加わった。サイコロは、振ってみるまで分からないが、カードはカウンティングによって何が出そうか、ある程度予測できる。
4色の列に左から×印をつけていって、多くつけるほど得点が上がるという仕組みは継承。しかし×印をつけるのは、山札に出てきたカードと、手札から出したカードの数字だ。
場札は4枚。手番プレイヤーがそこから好きなカードを取って手札に加えた後、場札に補充する。そのとき山札の一番上に出てきたカードにまず、全員が×印を付けられる(『クウィックス』の白いダイスにあたる)。
それから、手番プレイヤーのみ、手札からカードを出して、その数字に×印を付けられる。このとき、連番(赤の7-8-9など。1つだけ数字を飛ばしてもOK)でカードを出すと一気に3つまで×印を付けられるのがポイント。うまくカードが揃えば、一気に×印を増やせるので逆転も可能だ。
だから手札に赤の7と赤の9があるときに、赤の8を引いてきたときの「カンチャンズッポリ」感はカードゲームならではの醍醐味である。面白いのは、カードの裏面に数字だけ書いてあって、色は引いてみないと分からないところだ。「赤の8はもう切れている? じゃあ赤の6狙いで」などという麻雀のような読みがある。
ダイスゲームでは誰かが1つの列を閉鎖すると、ほかの人は記入できなくなったが、今度はそんなことはない。少し待っても左の方から詰めておいて、カードが揃ったところで一気に片付けるといった戦略も可能だ。でも、誰かが2列閉鎖したら即座にゲーム終了。各列の×印の数で得点計算し、多い人が勝つ。
5人プレイで20分。1ゲーム目はカード3枚が走って私が1位。ほかの人の手番に山札から出てきたカードでも順調に×印を付けることができた。2ゲーム目は、手札にいいカードがあって、チャンスを狙っているうちに出遅れてしまった。カードゲームならではのテクニカルな部分やアヤがあって、ダイスゲームとはまた違った楽しさがある。
Qwixx: Das Kartenspiel
S.ベンドルフ、R.シュタウペ/ニュルンベルガー・シュピールカルテン(2014年)
2~5人用/8歳以上/15分
ゲームストア・バネスト:クウィックス・カードゲーム