月刊少年サンデー「ゲッサン」で2013年4月から連載されているボードゲームコミック。著者は『風』『ハルノクニ』『月の蛇』の中道裕大氏。京都が舞台だが、東京・高円寺のすごろくやが協力し、ボードゲームショップの風景はすごろくやから取られている。どの書店でも取り扱われているわけではないので、近くの書店で見つけられない場合は、アマゾンなどで購入しよう。
主人公は竹笠美姫。自分の世界にこもりがちな京都の高校1年生である。東京から引っ越してきた高屋敷綾、厳格なクラス委員長の大野翠と、ボードゲームを通して友情を深めていく。
第1話(2013年4月号):序章、美姫と綾の出会い。ボードゲームはまだ登場しない。
『マラケシュ(Marrakech)』(ズライカ)はじゅうたんを敷いて、ほかの人が踏むと収入が入るフランスのボードゲーム。踏むか踏まれるかのやりとりもさることながら、本物の布製のじゅうたんが重なってボードに敷き詰められていくさまは美しい。ドイツ年間ゲーム大賞、フランス年間ゲーム大賞、オーストリアゲーム賞などを受賞している。
『ごきぶりポーカー(Kakerlakenpoker)』はカードを裏向きに出して、何を出したか嘘をつけるドイツのカードゲーム。うまく相手の嘘を見抜き、同時にだまして、自分のところにいやな虫のカードがたまらないようにする。受賞歴はあまり多くないものの、日本では伊集院光氏がラジオの深夜番組で紹介したのがきっかけでマスコミによく登場する。日本語版を発売しているメビウスゲームズでは安定して上位に入っているロングセラーだ。
『ねこのねずみの大レース(Viva Topo!)』は、少しずつ追いかけてくるネコの動きを見て、自分のネズミをチーズの部屋に逃がすドイツのボードゲーム。遠くまで逃げるほどチーズが大きくなるが、ネコに捕まるリスクも高まる。スリル満点のゲームだ。ドイツ年間キッズゲーム大賞。
『ハゲタカのえじき(Hol’s der Geier)』は、一斉に出したカードを比べて、得点カードを取り合うドイツのカードゲーム。同じ数字を出すと無効になるという「バッティング」システムは、その後多くの作品に受け継がれた。25年前の作品だが、今なお再版が繰り返され、遊ばれ続けている。日本語版あり。
追記:作者のツイートによると、9月に単行本第1巻が発売されることが決まったようだ。
・ゲッサンWEB:放課後さいころ倶楽部