3種のカードプレイでコンボを決める
大戦で無政府状態となったアメリカに、ミュータント、トレーダー、ニューヨーカー、アパラチアンという4つの勢力が競って自分たちの国を築く世紀末なゲーム。自給自足の世界だが、「力こそ正義」というわけでもない。カードのコンボを使った計画的な生産が求められる。
ポーランドのTRPG『ニューロシマ(Neuroshima)』の世界設定のもとに作られたカードゲームで、デザイナーもポーランド人。『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』のようにカードを自分の前にプレイし、その効果を組み合わせて勝利点を生み出すカードゲームだが、1枚のカードが3通りに使えることで、戦略の幅が広がる。
3通りの手札の出し方とは、征服、協定、併合。それぞれ赤、青、茶色のパワーが必要となる。パワーは最初からいくつかもっているが、カードの効果で増やせる。まずは出せる限りカードをどんどん出すことだ。
征服したカードと、協定したカードは、自分のカードの下に重ねられ、資源を生み出す。征服したカードは好きなタイミングでたくさんの資源を得られるが使いきりとなり、協定したカードは毎回資源を得られるが少しずつという違いがある。重ねられるカードは3枚までなので、うまく取捨選択していきたい。
併合すれば、自分の前に並べてその効果を使えるようになる。多くのカードは資源を別の資源や得点に変換するという効果があるが、使うには労働者が必要となることも。4種の資源と労働者を効率よく得点にかえていかなければならない。
ここまでだとソロプレイだが、ほかの人の建物も使えるのがポイント。建物は2回までしか使えず、しかも2回目は必要な労働者が増えるので、重要な建物は早めに使っておきたい。
ゲームの流れは、はじめに場札からドラフトしてカードを補充し、1手番にアクションを1回ずつ、全員がパスするまで何周でも行って1ラウンド。使った資源を片付けて、また次のラウンドを始める。誰かが規定点に達したラウンドで終了。
カードの出し方に3種類あること、さまざまなリソースがあること、カードの効果を表すアイコンがわかりにくいことなどから、内容を飲み込むまで時間がかかった。私は1回しか効果がない建物を併合し、同じアイコンの建物に改築する作戦。改築するたびに得点が入るが、1ラウンドに原則1回しかできないので地味である。次々入れ替えるのでコンボも生みにくい。そのうちcarlさんがボーナスが入るリーダーのカードを使って効率のよい得点変換を行い、最後に大量に得点して1位。
手札もパワーも資源も労働者も乏しいので、じっくり考えて出さないととすぐ行き詰まる。その分、ぎりぎりのところでうまく得点にできたときは嬉しい。ファンが多く、拡張が発売されたのも頷ける。
51st State
T.トゥルツェウィツェック作/ポータル(2010年)
2〜4人用/40〜90分/10歳以上
テンデイズゲームズ:51番目の州