幼馴染の同級生の檀家さんのお葬式を執り行った。享年52歳。
会うたびに「俺は長くないから、死んだらお願いなっ」と言っていた彼。心筋梗塞で入院してから、近所の同級生が病状を逐一報告してくれていたので訃報では動揺しなかったものの、お葬式が終わってから放心気味になっている。
生涯独身で両親ももうおらず、お姉さんが喪主だったが、驚いたのは10人以上の同級生がずっと詰めかけていたこと。遠く仙台や関東から来た人もおり、遺体の搬送、家の片付け、お墓掃除までやって、初日は朝まで飲み明かしたという。通夜も火葬も葬儀も親戚より同級生が多いくらいで、壇払いも盛り上がってお開きになったのは21時。
大のタバコ好きだった彼の口にタバコを突っ込み、悪態をついてゲラゲラ笑っているのに、何かの拍子に急に声を詰まらせて鼻をかんだりしている。みんな寂しさとやるせなさを隠していて、気持ちの整理がつかないのだろう。
高校中退で仕事も転々とし、人の世話をするよりもされる方が多かった彼がいかに愛されキャラだったかと、地元を愛し、中学・高校時代からの友人関係を中心に生活するマイルドヤンキー的なつながりの温かさに触れることができた。土木で重機を扱っていたことにちなみ、戒名は「文光院博道平浄居士」。みんなで修証義を読んだのを、誰かが「小学校の朗読を思い出した」と言っていて、タイムスリップしたようだった。