ちょっといい話(8)話しやすい会議

(長井法人会ワンポイント情報 令和7年6月号に掲載)

子どもの就学時健診の講演会で、元中学校長の金澤和子さんが「出席した会議では必ず何か発言することにしている。何も発言しないのは、いないのと同じ」と仰った。それを時々思い出して、どんな会議でも積極的に発言するようにしている。
しかしそのような人は極めて稀で、ほとんどの会議では誰も発言せず、指名されて渋々話すぐらい。あるいは一人がずっと「演説」して終わり。これではひたすら終わる時間を待つだけの会議になってしまう。年次総会のように報告と承認だけならばいいが、課題を解決したり、新しいアイデアを出したりするのならこれでは困る。そこで筆者が進行役になった場合、発言しやすいような工夫をしている。
中でも少人数のグループに分かれて話し合ってもらい、出てきた意見をメモしておいて後で共有する「ワークショップ形式」は有効である。人前で話すのが苦手な人も、グループ内では気楽に話せる。ただし、一人だけずっとしゃべって他の人が聞き役になってしまわないよう、全員が均等に話すことを予め伝えておく(長話を途中で遮るのは難しいものだ)。
「今日は課題を洗い出すことが目的」「今日はこの課題についての解決策を考えることが目的」というように会議の目的を明確にすることや、「家庭内の家事分担について問題だと思うこと」「妻が料理しているとき、夫は何をするべきか」というような具体的なテーマ設定も大切。予め資料を配布して自分の考えをまとめてきてもらうのもよい。
新しいアイデアを出す「ブレインストーミング」には、①批判厳禁、②自由奔放(思いつきでOK)、③質より量(数撃ちゃ当たるでOK)、④結合改善(他の意見に便乗してOK)という四原則がある。これらを予め伝えておいて、共通認識できたメンバーで意見を出し合うと、非常にテンポよく楽しい会議になる。しかし発言しやすい会議は、ただの雑談になってしまう恐れもある。しゃべり過ぎの人、横道に逸れる人を機嫌を損ねさせずに制御して、うまくまとめられるか、進行役の手腕が問われる。

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