河北町の市民講座にて、山形大名誉教授の松尾剛次先生による「日本仏教の特徴と魅力」を聴講。第2回は葬式仏教について。
官僧は「穢れ」の観念から葬儀に関われなかったところ、中世に官僧の身分を離脱した遁世僧が庶民の葬儀を行うようになった。官僧の経験がある僧侶は学識があり、死者の救済を任せられる信頼を獲得した。明治時代、廃仏毀釈令が出たにも関わらず仏教が生き残ったのは、僧侶の学識によるところが大きいという話。今でいえば中央官庁を中途退職して在野で活躍している優秀な人達といったところだろうか。
現代においても、僧侶は学識のある人として期待されており、そこが僧侶に大切な人の葬儀を任せる要になっている。「こんな人に葬儀をしてもらっても成仏できない」と思われないよう、見掛け倒しの箔を付けるのではなく、坐禅、法式、経典、ご詠歌などなど、地道に日々研鑽を重ねていきたい。
