個人の救済

河北町の市民講座にて、山形大名誉教授の松尾剛次先生による「日本仏教の特徴と魅力」を聴講。第3回は鎌倉新仏教について。お葬式も出張も重ならず全3回出席できたのはありがたい。

国の安寧祈祷中心だった平安仏教から、武士や庶民など「個人の救済」に舵を切ったことが、鎌倉新仏教が現代まで続いている要因であるという内容。親鸞聖人や道元禅師のお話も。道元禅師像が畳でなくて椅子(曲彔)に座っているのは、中国の土間から来ているそう。

個人の救済のはずがいつしか檀家単位になり、その家観念が薄れつつある現代において、檀家よりもその構成員である個人ひとりひとりにもっと焦点を当てていく必要がある。先祖代々の供養と家内安全の祈祷から、「亡きあの人」の供養と「あなた」の健康祈願へ。生老病死の苦しみに寄り添い、孤独感を解消していくのがお寺の役目といえそうだ。

本尊上供の回向は「家内安全、厄災消除」から「家族親族一同心身堅固、無病息災、心願成就」へ、追善供養の回向は「先祖代々の精霊」から「所念の精霊」へ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。