火曜日に山形からつくばに行き、長男の出生届。母も孫の顔を見に一緒にやってきて一泊。水曜日に帰っていった。私はそのままつくばに留まる予定だったが、檀家さんの葬儀で結局母と一緒に山形に戻ってきた。
子どもの名前は陽平(ようへい)に決定。長女の晶子(あきこ)と「日」つながりでもあり、家族みんなが気に入ってくれた。
この頃ヒドイ名前がはびこっていると思う。氏名欄にひらがなで書いて、振り仮名欄に漢字を書いてほしいと言っている人がいた。
これは6年前に書いた文章である。憎しみすら感じられる。
奇をてらった特別な読み,強い思い入れが入った難字,ちょっとひねりをきかせた普通名前に使わない字.子供がかわいそうだと思わないのだろうか.
初対面の人に呼ばれるとき,テストで名前を書くとき,電話口で名前の漢字を説明するとき,携帯にその人の名前を入力するとき,などなど.いつも苦労しなければならずその子供の人生は真っ暗だ.「どうしてこんな名前をつけたんだ?!」と親を恨むときがきっとくるだろう.
名前はありきたりな方がいいと思う.覚えてもらいやすいし,どんなにありきたりでも同姓同名などという事態はまず起こらないからだ.名前はその子供の定義ではなく,他人と区別するための恣意的な固有名である.
将来,新聞で凶悪犯罪者が凝りに凝った名前だったりする日が来るだろう.そのとき,何人かの人が思うかもしれない.「ああ,こんな名前じゃなければもっとましな人生だったろうに・・・」
というわけで妻と話し合って決めた我が家の名前の決め方は長女も長男も以下の通り。
1.普通の名前(世間で十分通用しているもの)にする
2.女なら「子」、男なら「平」を付ける
(「平」は、妻の祖父、父、兄についている字。私の家系にはそういうシリーズがない)
3.その中で音の響きがよいものを探す
4.その中でよさそうな漢字を探す
5.父母のこれまでの人生で、その字が名前に入っている人物を一通り思い起こし、問題のある人物はいなかったか確認
6.パソコンで普通に変換されるか確認
このうち1,6でヘンな名前はたいがい排除できる。ここまで来るともうヘンな名前アレルギーかもしれない。
実は「あきこ」は亡くなった私の叔母の名前で、「ようへい」は母が私の名前の候補にしていた名前である。だからこれにしたという訳ではないが、名づけた理由のひとつとして取り上げられるようにもした。水晶のサンスクリット語はスパティカーで女性名詞、太陽のサンスクリット語はスーリヤで男性名詞、この類の理由なら後付けでいくらでも出てくる。
長女のときはすぐに決まったが、長男ははじめ「しゅうへい(修平)」が濃厚だった。修行の修はお寺の息子らしいだろうと。
しかし子どもが生まれてみると「どうもシュウヘイって顔じゃない」と妻。そこで急遽「ヨウヘイ」が浮上した。そういえば映画で本木雅弘が演じた『ファンシーダンス』の主人公も陽平だったなぁとか言っているうちに決定した。「普通であること」以外は大した思い入れもなく、テキトーである。
「陽ちゃん、陽ちゃん」と呼ぶと陽子さんみたいで最初はピンと来なかったが、だんだんと耳になじんできた。今はまだ1日のほとんどを睡眠に費やしているが、さあ、どんな人間に育つだろうか、陽平君。