戒律の軽視

河北町の市民講座にて、山形大名誉教授の松尾剛次先生による「日本仏教の特徴と魅力」を聴講。第1回は戒律の軽視について。

  • 中国から鑑真を招いて国際的に認められた具足戒の授戒を始めたが、最澄が梵網戒に切り替えてしまったため、中国に留学する僧侶は戒牒を偽造して入国することになった(平安時代から日本の戒律は緩かった)
  • 貴族文化の影響を受けて官僧世界に男色が一般化した(ジャニー喜多川氏の父は真言宗僧侶で、アメリカでボーイスカウトを設立(察し))
  • 叡尊や忍性が戒律復興運動を展開したが浸透せず

他国にない僧侶の結婚は不邪淫戒に抵触するものの、「男色するぐらいなら妻帯を」という世間の受容と、後継者不足からの寺院の世襲化、明治政府による結婚の解禁が絡まって一般化したということになるようだ。慈悲という崇高な理念のための破戒なのか、僧侶のコスプレをした庶民になったということなのか、当事者として考えさせられた。

第2回は来月、葬式仏教についてということでこれも楽しみ。

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