学生時代、ドビュッシーやプーランクのフランス音楽にどっぷりとはまっていた。ベートーヴェンやブラームスなど、ドイツ音楽の重厚さには付いていけず、軽やかなメロディと淡いハーモニーが心地よかったのである。
「これでーいいのだー♪」という歌がサントリーのCMやラジオでときどき流れて、すごく気になっていたが、テレビで来日したニュースをもとに歌手が分かって購入。ちょうどフランス語を勉強しているのでリスニングもかねて。ボーナストラックがある盤とない盤があるので注意が必要だ。
うる星やつら、キャッツアイ、タッチ、サザエさん、ドラえもん、ちびまる子ちゃんなどおなじみの曲ばかりだが、歌詞がフランス語(一部英語)になってパーカッションがボサノバになっただけでまるで違う音楽に聞こえる。カーオーディオで流して田園の中を走れば、まるで南仏をドライブしているかのよう。
特に気に入っているのはアンニュイなサクソフォンの間奏が流れる「とんちんかんちん一休さん」と、「ゲ」の2つ目が下がるゲゲゲの鬼太郎で、よく聴いている。「元祖天才バカボンの春」はオリジナルからしてずいぶん物悲しい曲だと思っていたが、さらにしみじみとしていて、もののあはれを感じさせる。