私は、政府による生活支援給付金の交付に反対である。
確かに、4人家族で6万円程度という給付金は、家計が苦しい多くの世帯で喜ばれるだろう。しかしそれ以上に問題が多い。
第一に、金額からみて景気の浮揚にはつながりそうにない。なけなしの水を、焼け石に注ぐようなものである。この金額で1ヶ月の暮らしが少しは楽になったとしても、次の月までもたない。家計を強化している暇なんてない。
第二に、集めた税金を納税者にばらまくのは無駄である。収税コストに、給付するためのコストを乗せたら、だいぶ差し引かれてしまうだろう。かつて失敗に終わった「地域振興券」を思い出す。返すくらいならはじめから減税しろと言いたい。集めたものは、コストの無駄を減らすべく集まったかたちで使ってほしい。
第三に、国の財政を悪化させてはいけない。今回は国債ではなく埋蔵金で捻出するというが、そのお金があるならば国債発行を抑えたり、積極的に償却して国の借金を減らしたほうが、次世代に禍根を残さない。
このほかにも、全世帯に交付すれば不公平感が出て、生活に困窮している人に交付するには収入の把握のための法整備が必要になるという問題もあるという。
政府として同じ金額をもっと別の、効果的な景気浮揚対策に宛てられるはずだ。このようなわけで、私は生活支援給付金の交付に反対である。