経典勉強会でダンマパダの物語集より自己の章を読む。
「まず自ら最初に、相応しい振る舞いを身につけよ。それから他人に教えなさい、賢者は汚れてはならない。」
「他人を教えるように、同じように自身にすべきである。実によく自制ある者となって訓育せよ。自己は制御しがたいものだから。」
これの経文は、少欲知足などを説きながら自分は欲張り、弟子たちに眠らないで修行に励ませておいて自分は眠っていた長老たちについてお釈迦様が教えたものである。「他人に厳しく、自分に甘く」のは世の常だが、それではどんな立派なことを言っても説得力がない。人に言うなら自分もやること、自分ができていないことは人に言わないこと。
「自らが己の導き手なのだから、他の誰が導き手になろうか。よく制御された自己により、得難い導き手は得られる。」
少林寺拳法で聖句になっているこの経文は、生き別れになった息子への愛着を断ち切って悟りを開いた尼僧への称賛の中で語られる。三従(女性は幼いときは父、結婚したら夫、年老いたら息子に従う)が常識だった当時、女性の自立を勧める言葉である。