大本山總持寺にて1週間報恩授戒会に詠讃師として随喜。4年ぶりの開催である。1日目から足がやばく、抜けていたところもあったが、チームワークで無事勤め上げることができた。
初日に説戒師さんが「直心(素直な心)」というお話。児童虐待のルポなど読んでいたものだから、無明と煩悩が渦巻く心の中にそのようなものは本当にあるのだろうかと思っていた。
しかし、十重禁戒は道徳ではなく、苦しみのもとである我執をなくすためのものであるいうお話もあった。最初は高尚な動機がなくても、仏様に手を合わせ、戒律を意識した生活を送っていれば、自然と我執を離れ、直心が見つかっていくのだろうと思う。
説戒師さんのお話にヒントを得て、十重禁戒をポジティブな他者との関わり方という観点で解釈し直してみた。十重禁戒はお葬式のたびに唱えているので、その都度反省し、日々心がけたいと思う。
1. 不殺生戒―自分のために命を落とした動植物に恥じない充実した毎日を送る
2. 不偸盗戒―楽をして結果を得ようとせず過程中の努力を重んじる
3. 不邪婬戒―誰にでも慈悲と信頼の気持ちを育てる
4. 不妄語戒―裏表なく誠実で丁寧にものを語る
5. 不酤酒戒―人を和ませ心穏やかにさせる
6. 不説過戒―人の長所を見つけて褒める
7. 不自讃毀佗戒―誰に対しても敬って謙虚に話す
8. 不慳法財戒―いつも気前よく
9. 不瞋恚戒―いつも機嫌よく
10. 不謗三宝戒―以上の戒律を仏様から授かったものとして大切に守る
帰りは上野駅でビリヤニ。帰山すると郵便物がどっさりで、翌週のスケジュールも週末までびっしりである。