違和感と白黒思考

短大の講義で「違和感を大切に」と伝えた手前、自分でも実践している。

地域安全の会議で警察署長が「見守り社会よりも監視社会」と発言したことに異を唱えたり、息子の耳鼻科通院に「未成年は必ず保護者が付き添ってください」と言われたことにしつこく食い下がったり、ボーカルのレッスンで先生が「歌は感情がなければ伝わらない」と言ったことに反対したりしたが、ただの面倒くさいおじさんになっていないか反省。柔軟性がなくなって不測の事態や自分と違う価値観に対応できず、怒りっぽくなるのは単なる老化かもしれない。

違和感の伝え方も、国会議員のように怒っている感じにならないように気を付けているが、穏やかで冷静な議論をするのはなかなか難しく、感情的になると後味の悪さが残る。

正論を吐いてイキったり、頼まれもしない代弁者を気取ったりしないように気をつけているが、その反対に誰も共感しないような個人的な違和感をいちいち言い立てるのも良くない。

学道の人、言を出さんとせん時は、三度顧て、自利利他の為に利あるべければ、これを言ふべし。利なからん時は止まるべし。是の如き、一度にはしがたし。心に懸けて漸漸に習ふべきなり。(『正法眼蔵随聞記』)

そんなとき目にしたのが保護司の資料「認知のクセ」。当てはまることが多すぎて、よく自分は犯罪を犯さないで今までやってこれたものだとありがたく思うとともに、頭を柔らかく・多角的・客観的にものを見るように意識するだけで、穏やかになれるような気がしている。

  • 白黒思考:何事も良いか悪いか、可能か不可能かなど白黒どちらか決着を付けたがる
  • あるべき思考:自分の常識に当てはまらない他人を許せない
  • 全部・いつも同じ思考:他人の言動をみんな、いつも同じだと思う
  • 過大・過少評価:他人への言動を気にしすぎたり全く気にしなかったりする
  • 被害的な思考:周囲の人は自分に嫌がらせしてくると思い込む
  • とらわれ思考:気になるとそのことばかりを考えてしまう

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