高校の入学式

長男の高校入学式。自分の母校ということもあって感慨深いものがある。パラメータをどこか1ヶ所に振り切った感のある入学生の面々に、同級生の顔が重なって懐かしい。

「一家仁なれば一国仁に興り、一家譲なれば一国譲に興り、一人貪戻なれば一国乱を作す」とか「世のために尽くさんこれぞああ興譲興譲のわれらが心」とか、若い頃は封建的な思い上がりと感じていたが、この歳になって、知らず識らずのうちに自分が今大切にしていることであり、誰でもそれなりに心がけられることではないかという気がしている。

同級生が役員をやっていた関係で保護者代表挨拶を頼まれた。こういう場でちょっとだけひねくれたくなるのは、30年前と変わっていない。

コロナ禍の厳しい折、本日このように盛大な入学式を子供たちのために挙行して頂き、誠にありがとうございます。長い歴史と共に、時代に応じて常に変化し続ける伝統を誇る興譲館高等学校の生徒として迎え入れて頂きましたことは、保護者といたしましても喜びにたえません。
この素晴らしい学び舎で、子供たちが新しい友人とともに、諸先生方のご指導を仰げることをありがたく存じます。
実は私も三十年以上前に、期待に胸を膨らませてこの校門をくぐった者の一人であります。諸先生方からの教わりましたことと、同級生・諸先輩との親交は、在学当時以上に、現在も大きな宝となっております。「むしろ鶏口となるとも牛後となるなかれ」というのもそのひとつです。子供たちにはこれから学ぶことを活かして、豊かな知性と感性を育み、性別を問わずどんなに小さい集団でもリーダーシップをとって、これからの社会を築いていってほしいと切に願っております。

明日から、弁当持ちで6時15分出発の生活が始まる。

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